甘いマスクと長身、柔らかい語り口で人気を集め、映画やミュージカル、テレビ番組の司会など幅広く活躍した俳優の高島忠夫(たかしま・ただお、本名高嶋忠夫〈たかしま・ただお〉)さんが26日、老衰で死去した。88歳だった。家族のみで27日、密葬を行った。

 神戸市生まれ。関西学院大学法学部在学中に新東宝映画第1期ニューフェースとして映画界に入り、52年「恋の応援団長」でデビュー。その後、映画「坊ちゃん」シリーズなどで青春コメディーのスター街道を歩んだ。学生時代からジャズバンドで、ギター、ドラム、ピアノ、作曲などを独学で習得し、歌手としても活躍した。

 59年に新東宝を離れ、菊田一夫氏にすすめられて東宝の舞台へ進出。63年に宝塚の男役スターだった寿美花代さんと結婚。同年、日本初のブロードウェー・ミュージカル「マイ・フェア・レディ」(東宝、菊田一夫演出)の主役を演じ、「歌うスター」の名をほしいままにした。

 64年、長男道夫ちゃんがお手伝いの少女に殺害された事件後に一時活動を休止したが、その後テレビを中心に活動を再開。ドラマ「細うで繁盛記」や「クイズ・ドレミファドン」の司会、夫婦で25年以上出演した料理番組「ごちそうさま」、「ゴールデン洋画劇場」の映画解説などで人気を博した。「イェーイ」の決めぜりふでも知られた。 芸能界一のおしどり夫婦、俳優の高嶋政宏、高嶋政伸兄弟の父で、円満な家族の代名詞として「高島ファミリー」が注目された。

 政宏さんは「ここ数カ月、寝たきりの状態が多くなり、呼吸も弱まり、母曰(いわ)く最後は眠るように旅立っていった、のがせめてもの救いです」。政伸さんは「最後まで明るく良く通る声で笑ったり、話したりしながら、本当に穏やかに旅立ちました。心より感謝を申し上げます」とのコメントを発表した。