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 滋賀県湖北地方を中心に点在する「観音さま」を描いた井上靖(1907~91)の小説「星と祭」の今秋の復刊をめざし、地元の古書店主らがプロジェクトを進めている。朝日新聞連載(1971年5月~72年4月)から半世紀近くたった今も「聖地」を訪れる人がいる一方、単行本や文庫本は絶版状態だ。寺社や仏像の建立の際のように、有志者らに説いてまわる「勧進(かんじん)」スタイルで資金を募っている。

 「星と祭」は、琵琶湖の水難事故で娘を亡くした男性が、ヒマラヤでの観月や、滋賀県各地の寺にある十一面観音像を巡る中で娘の死を受け入れるまでを描いた物語。観音さまが「美人がひとり立っている」「若くて、きれいですわ。きれいなくらいですから、おしゃれです」などと表現され、地元の人たちの信仰心で守られている様子がつづられている。

 10月の復刊をめざし、資金を集めるために行われているのが勧進イベントだ。

 発起人の1人、滋賀県長浜市の古書店主、久保寺容子さん(56)は数年前、観音めぐりの途中に店に寄った人に度々、「『星と祭』を置いてませんか」と尋ねられたという。知り合いに呼びかけ、井上靖さんの遺族の賛同を得て昨夏、実行委員会を発足。「顔と顔を合わせて思いを伝えよう」と勧進スタイルに決めた。

 寄付の目標額250万円を達成すれば、実行委メンバーが経営する地方出版社「能美舎」から1千部を発行する。今年3月から、作品に出てくる滋賀県内の寺や東京、静岡など計8カ所でイベントを開いている。

 東京・上野で5月に開いたイベ…

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