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 1本だけの幹線道路を車がゆったり行き交う。太平洋の島国マーシャル諸島の首都マジュロののどかさは、前回訪れた2年前と変わらなかった。でも、「道端の空き缶や空のペットボトルが格段に減った」と聞いた。目線を下げると、確かにそうだ。

 街の外れのごみ処分場に答えがあった。人々が袋を持ってくる。中身は空のペットボトルやアルミ缶。ここに持ち込めば、1本あたり5セント(約5円)を受け取れる。国際協力機構(JICA)の支援で昨年8月に始まった預かり金制度で、小売価格に上乗せされた金額が戻ってくる。人口3万の首都で6月までの10カ月間にアルミ缶770万本、ペットボトル540万本を回収。缶は輸出されてリサイクルされる。ペットボトルは輸出先を探している最中だが、道路や海に投棄されるよりずっといい。

 ちょうど夏休み。多くの子どもたちが外で遊んでいる。通信環境のよくない島国では、スマホに夢中になることはないようだ。処分場にも、家の手伝いで空のボトルを持ってくる姿が目立つ。タニー君(15)は、受け取った50セントで「アイスを買うよ」。暑い南国では、ささやかだが魅力的なお小遣いに違いない。(小暮哲夫)

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