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 愛知県小牧市の男性職員(当時30)が昨夏、自宅で自殺したことを受け、職場でのパワーハラスメントの有無を調べるため、市が設置した第三者委員会(委員長・岩井羊一弁護士)が28日、調査結果を公表した。第三者委は直属の上司によるパワハラを認め、「自殺につながった可能性が高い」と結論づけた。

 市によると、男性は昨年4月に他の部署から当時の職場に異動。7月27日に無断欠勤を不審に思った管理職の上司が男性の家族らとアパートを訪ねたところ、首をつった状態で死亡していた。遺族が男性の残したメモなどを理由に異動後のパワハラを指摘した。市が関係者に聞き取りをしたものの、判断できなかったことや遺族が職員以外による調査を望んだことから、昨年12月に弁護士ら3人で構成する第三者委を設置していた。

 第三者委は直属の上司である40代の女性職員のほか、職員8人、遺族らから聞き取りをした。その結果、この上司による男性への暴力や暴言の事実は認められなかった。しかし、周囲からは上司の男性に対する言動は威圧的に見え、上司も男性と他の人に対する言動に差があったことを否定しなかった。

 また、上司は仕事について質問されても解決方法を教えなかったり、指導後にフォローしたりすることもなかった。2人の間に信頼関係がないなかでは、これらの言動、指導方法が適正な範囲を超えて精神的苦痛を与えたと認定した。

 さらに、男性に仕事以外の悩みはなかったと判断。パワハラが原因で精神疾患に罹患(りかん)し、自殺につながった可能性が高いとした。

 山下史守朗(しずお)市長は「直属の上司の日常的な言動、指導方法がパワハラと判断されたことを重く受け止める。結果として職員の尊い命が失われたことは重大で痛恨の極みだ」と述べた。(本間久志)