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 第101回全国高校野球選手権愛知大会が29日、開幕した。9球場で1回戦25試合があり、8試合が1点差の接戦となった。刈谷北や愛知総合工科は延長戦を制して2回戦に進むなど、各球場で熱戦が繰り広げられた。

成長見せた 全力スイング 美和・小柳海晴主将

 「絶対後悔したくない。自分らしくフルスイングでいこう」

 九回表2死二塁、5点を追う美和の主将小柳海晴(かいせい)君(3年)は打席に立った。ファウルで粘りながら積極的にバットを振ったが、結果は空振り三振。試合が終わった。

 対戦相手・津島の谷山和広監督は、小柳君の最後の打席を感慨深い思いで見つめた。「背中ごしだったけれど、海晴らしい気持ちの強さを感じた」

 谷山監督は今年3月まで美和の監督だった。小柳君ら3年生の一部は、谷山監督を慕って入部したメンバーだ。

 美和は昨秋以降、終盤で得点できないなど接戦で勝てないことが課題だった。結果が出ず、チームがまとまらないこともあった。だが、初戦で津島と対戦することが決まり、「最後の夏、谷山先生に自分たちが変わった姿を見せる」と練習に励んできた。

 この日、四回裏にエース井野史也君(3年)が打者走者とぶつかり、負傷退場した。試合が13分間中断する中、小柳君は「落ち着こう」「気持ちをあげてくぞ」と声を出し、チームをもり立て続けた。

 谷山監督は試合後、「美和の気持ちの強さと粘り強さを感じた」と、かつての教え子たちの成長ぶりをたたえた。小柳君は「エースがいない状態を乗り越えてチームが一つになれた。試合には負けたけれど、全力で戦った」とすがすがしい表情で前を向いた。(村上友里)