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 主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)出席のため来日中のトランプ米大統領は29日午前、大阪市内でサウジアラビアのムハンマド皇太子と朝食を取りながら会談した。米側の発表によると、米国との間で緊張が高まるイランの問題について協議した。「イラン包囲網」の構築に向け、中東地域でイランと対立するサウジと協力を確認したとみられる。

 トランプ氏は、サウジの女性権利向上に向けた取り組みなどサウジの改革を「革命的」と称賛。一方、サウジによる米国製の武器購入は「少なくとも100万人の雇用を生み出した」と謝意を示した。ムハンマド皇太子も「我々はあなた方とともに、政治や治安、軍事、経済面で多くのことを達成した」と応じた。

 ムハンマド皇太子は、トルコで昨年10月に起きたサウジ人記者殺害事件への関与が指摘されている。トランプ氏は会談冒頭に記者団から事件についてどう対応するか問われたが、答えなかった。対イランでの協力が不可欠なサウジに配慮した模様だ。一方、事件後に欧州諸国との溝が目立った皇太子にとっては、トランプ氏と直接会談して改めて「支持」を受けたことは大きな成果となった。

 記者殺害事件でサウジは国際社会から批判を受けている。G20サミットの開幕直前には、事件を調べた国連のカラマール特別報告者が「(G20で)各国がサウジ政府の責任を追及することが重要だ」と指摘した。

 トランプ政権は5月、米議会の承認を得ずにサウジなどへの巨額の武器売却を決定。「イランの脅威」を理由とした。議会では、記者殺害事件や、サウジなどが介入するイエメン内戦で多くの市民が犠牲になっていることから、サウジへの武器売却に反対の声が強い。(清水大輔、ワシントン=渡辺丘)