[PR]

 中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は29日、違法ワクチンの製造や販売に罰則を科すワクチン管理法を可決し、成立した。12月から施行する。昨夏に発覚した国産狂犬病ワクチンの不正製造問題を受けたもので、早急な法整備で国民に広がった政府への不満をしずめる狙いがある。

 全人代の発表などによると、ニセのワクチンを製造、販売した場合はその額の15~50倍の罰金、質の悪いワクチンを製造、販売した場合は10~30倍の罰金を科す。悪質な場合は刑事罰も科し、重大な副作用には補償制度を設ける。ただ、被害者の抗議行動を騒動挑発罪に問う可能性があるという規定も設けられており、抗議の抑え込みに使われる可能性もある。

 今年の全人代前に、政府機関に抗議した被害者家族らは10人ほどが今も拘束されたままだ。被害者家族の一人は「厳罰化も大事だが、被害を受けた子どもが必要なだけ治療と補償を受けられる態勢を整えてほしい」と話した。

 政府の調査結果によると、吉林省長春の製薬会社「長春長生生物科技」が有効期限切れの原液を使って人用の狂犬病ワクチンを4年以上にわたって製造。実際の製造日より後の期日や偽の製造番号を記したワクチンが見つかり、一部は国外にも販売されていた。(北京=延与光貞)