接近する米朝、思惑はすれ違い 懸念される政治ショー化

有料記事G20大阪サミット

園田耕司 ソウル=神谷毅
【動画】G20大阪サミット閉幕 わずかな前進と多くの課題
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 トランプ米大統領が29日、朝鮮半島の非武装地帯(DMZ)での米朝首脳会談を呼びかけた。北朝鮮の内部事情に詳しい関係者によると、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は応じる方向で調整しているという。ただ、会談が実現しても、非核化協議をめぐる両者の溝が埋められるかは見通せない。園田耕司、ソウル=神谷毅)

「平和の立役者」トランプ氏アピール

 トランプ氏は29日、主要20カ国・地域首脳会議G20サミット)閉幕後に行った会見の冒頭、「私は今から韓国へと向かう。我々は正恩氏と会うかもしれない。正恩氏はとても前向きだ」と述べ、自らDMZでの会談に言及した。

 記者から、DMZを訪問した時に北朝鮮側に入るかと問われると、「もちろんだ。とても気楽にそうする」と回答した。実現した場合、現職の米大統領としては初めて北朝鮮に足を踏み入れることになる。

 トランプ氏がDMZ訪問を明らかにしたのは、この日朝。「中国の習(近平)国家主席との会談を含むいくつかの重要な会談を終えた後、私は韓国に向かう。もし北朝鮮の金委員長がこれを読めば、私は彼とDMZで会って、握手して『ハロー』と言うだろう(?)!」とツイートした。

 トランプ氏は2017年11月の訪韓時にもDMZ訪問を試みたが、悪天候で断念した。その後、18年4月に南北首脳会談がDMZ上の板門店で開催されたことに強い関心をもち、米朝首脳会談を板門店で行うことを検討したこともあった。

 複数の米韓両政府関係者によ…

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