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 30日は8地区で計18試合があり、各地で続々と地区代表が決まった。札幌地区では札幌平岡が南北海道大会に初出場。空知地区では滝川が29年ぶりに北北海道大会への切符をつかんだ。名寄地区では稚内大谷が士別翔雲を破り、昨夏の地区大会で延長サヨナラ負けした雪辱を果たした。1日は札幌、小樽両地区で代表決定戦があり、いよいよ全32校が出そろう。

ディベート通じ一体感 札幌旭丘 佐々木生主将

 「みんなのおかげでここまで来られた。幸せなキャプテンでした」。目標の南北海道大会を目前にして、1―11でコールド負け。それでも、札幌旭丘の佐々木生(しょう)主将(3年)の顔には充足感が浮かんでいた。

 昨秋、野球部は空中分解寸前だった。秋季道大会の札幌地区大会では初戦コールド負け。部員はばらばらで、練習試合当日に休む選手すらいた。「野球以前の問題だ。内面を見つめ直せ」。村山嘉啓監督は、選手からボールを取り上げる荒療治に打って出た。

 9月から2カ月間、監督が選手たちに課したのは「ディベート」だった。「日本は格差社会か」「就職するなら大企業か中小企業か」。野球に関係のない議題を約2時間、連日のように部員全員で話し合った。佐々木主将は「練習できない焦りもあったが、ディベートで正反対の意見も受け入れる中で、チームにまとまりが生まれた」。

 この夏は2試合連続で延長サヨナラ勝ちと粘りを見せ、迎えた東海大札幌との代表決定戦。序盤から点を取られる苦しい展開でも、ベンチは諦めなかった。「まだ逆転できる」「最後まで楽しくやろう」。秋には聞こえなかった明るい声が飛び交った。

 10点を追う六回裏、打席に立った佐々木主将は大会屈指の右腕、小林珠維投手(3年)と対峙(たいじ)し、空振り三振。それでも、笑顔でベンチに迎えられた。「野球ができなかった2カ月間は辛かったけど、色々な価値観を学ぶことができた。野球以上のことを学べた1年間でした」。笑顔で振り返った。(遠藤美波)