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 愛知大会2日目の30日は、雨が降る中、4球場で4試合があり、知多翔洋がサヨナラで東海学園との接戦を制するなど熱戦が展開された。一方、雨により、ノーゲームも含めて20試合が中止となった。中止になった試合は7月6日以降に延期される。

勝利もぎとった 挽回スクイズ 知多翔洋 松葉弘成君

 3年生の最後の夏を終わらせたくなかった。

 八回表、同点に追いつかれた知多翔洋は、なおも2死一塁。相手打者のフライが投手と捕手の間に上がった。

 捕手の松葉弘成(ひろと)君(2年)が捕球に向かったが、フライの落下点を誤り、わずかにミットが届かなかった。記録は内野安打。次の打者は右越えの2点適時三塁打で、チームは勝ち越された。

 松葉君は「あのフライを自分が捕っていれば」と悔やんだ。捕手になったのは高校入学後。キャッチャーフライは苦手だった。応援席にいた父の正和さん(43)は「見ていられなかった。でも責任感の強い子なので何とかしてくれる」。

 「なんとしても挽回(ばんかい)する」と心に決めた松葉君。同点の九回裏、1死二、三塁の場面で打席が回ってきた。サインはスクイズ。バントにも苦手意識があったが、「絶対できる」と自分を信じてバットを握った。打球は見事に三塁手の前に転がり、サヨナラスクイズとなった。

 試合前日のチーム内の紅白戦でもサヨナラ打を放っており、2日連続の「サヨナラ男」に。松葉君の前の打者で、犠打で好機を広げたエースで4番の松下士恩君(3年)は「決めてくれると信じて託した」。

 要所で決めたが、松葉君はガッツポーズはしなかった。「主役は3年生なので」。それでも、自分以上に喜ぶ3年生たちに迎えられると「ホッとしました」と笑みがこぼれた。(小松万希子)