冷戦時代の1987年に米国と当時のソ連が交わした中距離核戦力(INF)全廃条約が2日、失効しました。トランプ米大統領が昨年10月に離脱を宣言し、ソ連を継いだロシアに通告したためです。世界の核軍縮の象徴だった条約が失われたことに、平和団体などからは失望の声が上がっています。この条約が結ばれた背景や、失効がもたらす影響を、核問題に詳しい秋山信将・一橋大教授に尋ねました。
――INFってそもそもなんですか?
「Intermediate Range Nuclear Force」。つまり中距離の核戦力のことです。ただINF全廃条約では、搭載するのが核弾頭か通常弾頭かにかかわらず、地上から発射する射程500~5500キロの弾道ミサイルや巡航ミサイルを全て廃棄するという決まりでした。
――ミサイルにはさらに射程の長い大陸間弾道ミサイル(ICBM)もあります。距離の短いINFを禁止することに何の意味があったんでしょうか。
射程の長いICBMを使えば、米ソは相手国の本土を直接たたくことが可能です。もしICBMを相手国の本土に対して使い、相手が同等の反撃をした場合、全面核戦争に発展する危険があります。それは、両国の破滅を意味します。
でも射程の短いINFならどう…
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朝日新聞国際報道部