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 元ハンセン病患者が暮らす瀬戸内市の国立療養所2園にある昭和前期の建物10件が国登録有形文化財(建造物)になったことを受け、市役所で31日、目印になる登録プレートの授与式があった。関係者は療養所の永久保存に向けた運動へ弾みがついたと喜んだ。

 授与式には、いずれも瀬戸内市沖の長島に国立療養所第1号として1930年に開園した長島愛生園から山本典良園長と中尾伸治・入所者自治会長、34年の室戸台風で壊滅した大阪の施設を前身として38年に開園した邑久光明(おくこうみょう)園から青木美憲園長と屋猛司(おくたけし)・入所者自治会長が出席した。

 10件は3月に指定され、開園当初や直後に建てられた。国内に13ある国立療養所の建物では初の国登録有形文化財で、市教育委員会からプレートを受け取った中尾会長は「愛生園は開園から89年が経ち、強制収容や隔離政策によって島に閉じ込められた人の思いが建物に詰まっており、本当にうれしい」と話した。屋会長は「高松市の大島青松園を含め瀬戸内3園は全て島にあり、島全体を永久保存していく運動をしている。良い影響があると思う」と述べた。瀬戸内市の武久顕也市長も同席し、NPO法人が進めている世界文化遺産への登録に向けて弾みがついたとの見解を示した。

 内訳は愛生園が「旧収容所(回春寮)」「旧日出浴場」「旧洗濯場」「園長官舎」「旧事務本館(歴史館)」。光明園が「恩賜(おんし)会館」「旧裳掛(もかけ)小・中学校第三分校」「物資運搬斜路」「奉安殿」「瀬溝桟橋」。(雨宮徹)