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 千葉県立四街道高校(四街道市鹿渡、渡辺範夫校長)の野球部員48人が31日、学校の近くにある国立病院機構下志津病院を訪問し、筋ジストロフィーを患って入院している人たちと交流した。参加した約20人の患者は、野球の質問をしたり、グラブやバットに触れたりして、地元の選手たちとの時間を楽しんだ。

 ユニホームを着た部員が院内に設けられた会場に入ると、車いすに乗った人たちがそれぞれの部屋から集まった。部員たちは、自己紹介のあと、校歌や「部訓10カ条」を披露。高校生最速の163キロを記録した岩手・大船渡高校の佐々木朗希投手についての質問も出て、男性の1人が「ヒットを打てますか?」とたずねると、選手は「当たる気がしません!」。会場は笑いに包まれた。

 筋ジストロフィーは、身体の筋肉が壊れやすく、再生されにくくなる国指定の難病。体を自由に動かせず、野球道具に触れるのはこの日が初めてという人もいた。吉野航平さん(31)は「ボールが重かった」。選手にヘルメットをかぶせてもらった中村太郎さん(30)は「高校球児を生で見たのは初めて。かっこよかったですね」と笑顔だった。

 四街道高校の野球部が下志津病院を訪問するのは、昨年に続き2回目。学校のボランティア同好会が病院内で活動していたことがきっかけだった。昨年夏の西千葉大会でベスト8まで勝ち上がった同校野球部の試合をテレビで観戦した患者たちが、ボランティア同好会の生徒に「選手に会いたい」と投げかけ、話が進んだ。

 高橋正人監督(57)は「懸命に生きる患者さんの姿から、人生の勉強をして欲しい」。四街道はこの夏の大会でシード校だったが、3回戦で敗れた。捕手として出場した佐川樹(たつき)君(3年)は「患者さんたちの『強さ』を感じました。自分が野球をできたことは当たり前ではないと思いました」と話した。(福冨旅史)