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 希少性ゆえに初期診断が難しい小児がんの早期発見、治療を目指し、静岡県立こども病院が中心となって「小児がん診断ハンドブック」を作成。1千部を印刷し、県内の市町や医師会、病院に配布している。

 県立こども病院が今年4月、全国で15カ所しかない小児がん拠点病院に指定されたのを受けた取り組み。東京都小児がん診療連携協議会が編纂(へんさん)したハンドブックを改訂し、県の小児がん診療連携ネットワークや参加医療機関の情報、県内の患者団体の連絡先などを収録した。

 同病院内科系診療部長の渡辺健一郎医師によると、小児のがんは、胃がん、肺がん、大腸がんなど成人に多い上皮由来のがんがほとんど見られず、白血病など血液のがんや脳や脊髄(せきずい)の腫瘍(しゅよう)が多い。国内での年間発症数は2千~2500人と少ない上、初期症状も発熱やだるさ、痛みなどで、顕著な特徴がなく、かぜと診断されてしまうことが多いという。

 ハンドブックでは、がんの発症部位ごとに初発症状を写真や画像データを用いて紹介。小児がんを診た経験のない医師でも、がんの可能性に気付くことができるように解説している。

 記者会見にはハンドブック作成を後押しした「がんの子どもを守る会」静岡支部長の中村彰男さん(70)=静岡市駿河区=も同席。長女(36)が4歳の時に腎臓に腫瘍が見つかり、手術を受けたが、診断確定まで3週間かかったという。「恐怖と不安にさいなまれる日々だった。いまも同じ苦しみを背負う若い親たちの力になれたら」と願っている。

 各医療機関のパソコンにPDF版のダウンロードも可能。問い合わせは県立こども病院医事係(054・247・6251)。(阿久沢悦子)