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 就職の失敗や失業が引き金となり、ひきこもり状態になる人がいます。採用試験に何十回も落ちるうちにめいってしまい、孤立につながるケースも多いようです。「就職氷河期」や競争社会の激化が、追い打ちをかけたとも言えるでしょう。レールからそれると、元に戻るのが難しい現実。もがいてきた2人を取材しました。〈扉の向こうで〉

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写真・図版

 ドリップしたコーヒーを丁寧に注ぐ男性(44)=浜松市=が、カウンターごしに購入者と談笑する。同市内の精神科診療所「ぴあクリニック」に併設され、ひきこもり当事者らが交流する「虹の家」。男性は昨年10月から週に4日、ここでアルバイトしている。

 ただ、休日は布団の中で過ごすことが多い。外出しても、いつも1人だ。

 「常に孤独を感じ、自分の問題は理解されないと考えてしまう。ひきこもった事実が尾を引き、昔の友だちにも会っていない。元気かなと思うけど、こちらから声はかけられない」

 きっかけは、関西地方にある大学での就職活動だった。山一証券が破綻(はたん)した1997年。バブル崩壊後の不況が深刻で、「就職氷河期」が続いていた。

 「周りの学生も必死で、焦る気持ちがあった。広告会社や学習塾、貿易関係の会社など30社くらいは受けました。公務員もチャンスがあればと警察官の試験を受けた。もがいていたと言えばもがいていました」

 4年生の春から取り組んだが、結果が出ず、夏ごろには自信を失った。

 「自分はだめ人間、だめ人間だ、という感情がぐるぐる回り、社会に入っていくこと自体が怖くなった。秋口に受けた採用面接で、証明写真を見た担当者から『本当に同じ人ですか?』って言われたんです。疲れきってよどんだ顔で、別人に見えたんだと思います」

 秋が深まる頃には下宿の部屋に…

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