日本高校野球連盟と朝日新聞社は1日、第101回全国高校野球選手権大会(6日開幕)で、新たに実施する暑さ対策を発表した。冷たい水が入ったペットボトルで手のひらを冷やす方法で、深部体温の上昇を防ぎ、熱中症を予防するのが狙い。
15度前後の冷水で冷やしたペットボトルを、ベンチ内に用意する。選手がベンチに下がった際に、ペットボトルを手のひらで転がしたり握ったりして冷やす。冷たすぎると逆に体温が上昇する可能性があるため、温度管理ができるようにペットボトルを浸す水の温度を測る温度計も設置する。
実施を決めるにあたり、7月に大学野球部の協力を得て、効果を検証した。手のひらを冷やさずに運動した選手に比べ、冷やした選手の方が、体温の上昇を抑えられる傾向が見られたという。ただ、地方大会で導入しなかったため、参加校には実施を強制しない。
日本高野連は7月、甲子園大会で選手の体調管理をサポートする理学療法士とともに、手のひらを冷やすことの効果を確かめた。実験に参加したのは大学生の投手と捕手。イニング間を想定し、20球を投げてから5~10分ずつ、腕や手を冷やした。冷水が入ったペットボトルを手のひらで転がしたり、15度前後の冷水にグラブ側の腕をつけたりする方法で、体温の変化や、投球への影響を見た。
冷却をしなかった選手に比べ、冷やした選手の多くで体温の上昇が抑えられた。なかでも、ペットボトルで手のひらを冷やす方法は、「手軽で、投球にも影響はない」などの肯定的な意見が多かった。
一方、13度ほどに下がった水に、腕から指先まで冷やした選手の一部は、逆に体温が上昇したり、冷やした方の手が重く感じたりするような例があった。
日本高野連の田名部和裕理事は「熱中症対策は待ったなしで、甲子園での事故は絶対にあってはならない。これからも効果が期待できる方法を探り、どんどん試していきたい」と話した。(高岡佐也子)
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