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 50年前、警察が同性愛者の集うバーに家宅捜索に入った。同性愛者らは不当な弾圧だと感じ、初めて集団で立ち向かう出来事があった。店名にちなんで「ストーンウォール暴動」と呼ばれるこの出来事があったニューヨークで6月30日、性的マイノリティーや支援者ら計十数万人が集い、権利の擁護を訴えた。

 「プライドマーチ」と呼ばれるこのパレードは家宅捜索の翌年の1970年、ニューヨークなどで始まり、世界各地に広がった。今年は約700の団体が参加し、過去最大規模となった。

 テレビ関連会社で働くニューヨーク在住のゲイのフランチェスコさん(24)はパートナーと参加。「50年前が、私の多くの権利の出発点だった。ただ、もっと多くの人や政治家が、愛と平等と誇りをサポートしてほしい」と語った。

 この日は日本最大のパレードを主催する「東京レインボープライド」も初めて参加。団体メンバーや現地在住の日本人ら約250人が、日本の歌を響かせながらニューヨーク中心部を2時間半かけて歩いた。

 性的多様性の象徴である6色の旗を持った沿道の人たちから「ジャパーン!」と声援が上がり、参列者は興奮しきり。共同代表でゲイの山縣(やまがた)真矢さん(52)は「夢がかないました。みんなが笑顔で楽しんでくれているのが、じーんときます」と語った。

 同性婚が可能で、日常的に同性カップルを目にするニューヨークに比べ、日本はまだ遅れていると感じている山縣さん。「この日にこの場にいられたことを胸に、日本にフィードバックしたい」と述べた。

 2015年に同性パートナーシップ条例を設けた東京都渋谷区の長谷部健区長も、団体とともに歩いた。長谷部氏は「行政も警察も一緒にパレードするような、こういう景色を日本でも日常にしたい。国が同性婚を認めるようになれば、各自治体が個別に条例などを作る必要はなくなる」と国の対応に期待を寄せた。(ニューヨーク=藤原学思)