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 JR北海道が10月の消費増税に合わせて平均15・7%の運賃値上げを申請したことをめぐり、国の運輸審議会が1日、札幌市中央区で公聴会を開いた。国鉄の分割民営化がJR北の経営危機につながったとの指摘や、通学に利用する高校生らの負担増を懸念する意見が相次いだ。

 値上げを認可するかどうかは、運輸審議会の答申をもとに国土交通相が決める。公聴会の冒頭、JR北の島田修社長は「安全で持続可能な交通体系を維持していくため、徹底した経営努力を前提に、お客様にも一部ご負担をお願いしたい」と理解を求めた。

 これに対し、市民団体の代表ら3人がいずれも反対の立場で意見を述べた。「北の鉄路存続を求める会」の小室正範事務局長は、1987年の国鉄分割民営化の際に赤字補塡(ほてん)のために国が用意した「経営安定基金」が、長引く低金利で減少していると指摘。「『国策破綻(はたん)』のツケを道民に強いる値上げは認められない」と強調した。札幌都市圏など近距離の運賃ほど値上げ幅が大きいことから、通学にJRを利用する高校生らの負担が大きすぎることも批判した。

 運輸審議会の委員から経営再生の取り組みや鉄道事業の意義を問われたJR北の島田社長は「最適な公共交通を地域ごと、路線ごとに選択する時代に入っている。経営自立を果たし、住んで良し、訪れて良し北海道の実現に貢献する企業グループをめざす」と訴えた。運輸審議会の原田尚志会長は公聴会終了後、報道陣の取材に「(公聴会を)今後の審議の参考にしたい。法律の趣旨にのっとり審議していく」と述べた。(長崎潤一郎)