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 父子家庭で持病を抱える子どもを養いながら、働いていくつもりだった。それが突然、クビに――。

 大阪市から川崎市への転勤を拒み、4月に懲戒解雇された中正司光幸さん(53)が7月1日、勤め先だったNEC子会社を相手取り、解雇の無効などを求めた裁判を大阪地裁に起こした。「会社の合理化は必要だが、社員にも事情はある。法律、人権の範囲内で対処すべきだ」。記者会見を開き、提訴にこめた思いを語った。

 1日午後、大阪地裁の一室。代理人の弁護士2人と会見にのぞんだ中正司さんは、赤いポロシャツ姿だった。

 「大きくて有名な会社なのに、社員を邪魔になったからと放り出した。許せない気持ちになっている」。冒頭でこう批判した。

 大阪府内で11歳の一人息子、75歳の実母と3人で暮らす。息子は自家中毒の持病があり、学校でも1カ月に数回は頭痛や嘔吐(おうと)などの症状が出る。白内障などを患う母に、息子が発症したときの対応を任せきりにはできず、単身赴任は考えられない。一方、家族での引っ越しは、環境の激変から息子の病状が悪くなりかねないと、担当医に指摘されている。こうした状況から、川崎への転勤には応じられないと、会社側には説明してきたという。

 これに対してNECは、本人や家族の事情には最大限配慮してきたとし、「訴状の内容を確認したうえで、対応をしていく」(広報)とする。

働く環境改善を直訴→異動

 訴状や本人の話によると、中正司さんは大学卒業後の1990年に、関西日本電気ソフトウェア(現NECソリューションイノベータ)にシステムエンジニア(SE)として入社した。最初の転機は2004年、病院のシステムを主に担当するチームにいたときだ。トラブルの兆候があれば、すぐに駆けつけ、対応する。患者の命にもかかわる職場だけに常に緊張を強いられ、病院のコンピュータールームで寝泊まりすることもあった。激務で体調を崩す同僚らを見て、当時の社長に働く環境の改善を直訴した。すると、SE職から経営企画を担う部署へと異動になった。

■リストラ手法で対立→退…

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