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 光をあててがん細胞を壊す「光免疫療法」について、実用化を目指す米国の「楽天メディカル」は1日、都内で事業説明会を開き、新たな臨床試験(治験)の結果を公表した。手術や抗がん剤などの治療で効果がなかった米国の30人の頭頸部(けいぶ)がんの患者を対象にした第2a相の治験の結果、4人はがんが消え、9人は縮小していた。この治療法と関連があるとみられる重篤な有害事象は3人にあったという。

 この治療法は、米国立保健研究所(NIH)の研究員が開発した。近赤外光をあてると反応する化学物質と、特定のがん細胞に結びつく性質があるたんぱく質(抗体)を結合させた薬を注射。抗体はがん細胞とくっつく。それに近赤外光をあてると、がんに集まった薬と光が反応し、がん細胞を壊し、これをきっかけに免疫細胞は活性化する。

 NIHと契約を結んだベンチャー企業(その後、楽天メディカルに社名変更)が、2015年から治験をしてきた。同社は昨年12月から、さらに多くの患者を対象に有効性や安全性を確認するための第3相の治験を、米国や日本などで始めている。今年4月には厚生労働省から、新薬や新しい治療法を短期間で審査する「先駆け審査指定制度」の対象に指定もされた。同社はこの結果もふまえて、頭頸部がんへの治療法としての承認取得を目指すという。この日の説明会では、5月末に東京都から第1種の医薬品や医療機器を製造販売することができる許可を得たことも発表。三木谷浩史会長兼CEO(最高経営責任者)は「総合的なバイオベンチャーとして一日も早く、光免疫療法を患者のもとに届けたい」と話した。(松浦祐子)