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 主要20カ国・地域(G20)首脳会議が幕を閉じ、大阪に日常が戻った。交通量の50%削減は達成したが、6月27~30日の大がかりな交通規制は暮らしや経済に様々な影響をもたらした。来夏に東京五輪・パラリンピックを控え、G20で見えてきた課題を探った。

 「テロや大事件は起こらず大成功」。G20の警備を仕切った大阪府警幹部は胸を張った。3万2千人の厳戒態勢になった背景には、首脳らの宿泊先が分散し、警備対象が広域に及んだ事情がある。主会場の国際展示場は人工島・咲洲(さきしま)にあり、封鎖は可能だったが、37の国や国際機関の首脳、政府代表団、海外メディアを含め関係者は約3万人に上り、今回、首脳らは大阪市内のホテル13カ所に分散して宿泊した。主会場と宿泊先が近接していたG8北海道洞爺湖(2008年)や、G7伊勢志摩(16年)とは異なり、首脳らの移動に合わせ阪神高速や大阪市内の9エリアの一般道でも大規模な規制が必要になった。

 府警は昨年10月から企業や業界団体をまわり、開催中の休業や営業車の利用自粛を呼びかけた。交通量の50%削減を目標に掲げ、直前にはネット動画やテレビCMなどでも大規模な交通規制をPR。スポーツ用品大手ミズノは主会場近くの大阪本社を27、28両日は休館とし、約900人は在宅勤務や休日にした。関西電力は不急の工事や車移動を極力控えて協力した。

 府警によると、4日間の平均で前週と比べ大阪市中心部の交通量は51・2%減で、府警は目標を達成できたとしている。ただ、大阪駅周辺で一般道の規制は4日間で計約20回に及び、2時間以上の規制も6回に及んだ。

 「急に規制がかかるので私もわからないんですよ」

 6月29日朝の大阪駅前のバス乗り場。天保山行きの路線バスが、目的地へ着くのか男性から尋ねられた運転手は、困り顔で答えた。

 記者がバスに乗り込むと乗客は7人。発車5分で南へ約1・2キロ進み規制エリア手前の淀屋橋交差点で停車を求められた。「待機します」と車内アナウンスが流れ、すぐさま2人が降りた。10分待つも発車せず、目的地を尋ねた男性も下車して歩き出した。バスは約5分後に動き出し、2つ先の停留所の手前で男性に追いつくと、男性が笑顔で再び乗り込んできた。

 運行する大阪シティバスによると、別の路線では27日、規制エリア手前で通行止めになり、約2時間立ち往生したという。担当者は「規制がこんなに長時間になるとは想定していなかった」と話す。

 百貨店の客足にも影響が出た。阪急うめだ本店では、4日間の客数が前年同期に比べ約2割減った。大丸梅田店でも、雨の影響もあり、同期間の客数が前年より10~15%ほど減った。同店の広報は「交通規制の影響で、車で来るお客様が少なかった」という。

 ローソンは生鮮食品などの配送を普段の1日3回から2回に減らし、1回あたりの量を増やした。週5日配達している冷凍食品などは、週2日の休配日をG20期間中にあてたという。

 府警交通部の幹部は「都市部の一般道を断続的に規制するのは予想以上に難しかった。結果的に市民の移動や経済活動に影響が生じ課題が残った」と話した。(飯島健太、高木智也、生田大介)

■鉄道各社の対応に困惑…

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