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 生後11カ月の三つ子の次男を床にたたきつけて死なせたとして傷害致死罪に問われ、一審・名古屋地裁岡崎支部が懲役3年6カ月の実刑判決を言い渡した松下園理被告(31)の控訴審第1回公判が2日、名古屋高裁(高橋徹裁判長)であった。弁護側は「責任能力に事実誤認があり、量刑も不当だ」として、執行猶予付き判決を求めて結審した。判決は9月24日に言い渡される予定。

 松下被告は一審判決後、子どもたちと離れ、実家で暮らしている。この日の控訴審で自ら証言台に立ち、現在の心境などについて「次男に、命を奪ったこと、長い未来を奪ったことにごめんねという気持ちです」と涙ながらに語った。

 次男の遺骨の一部を手元に置き、毎日触れながら謝罪する日々を送っているという。弁護側は、被告が過酷な多胎育児によって罹患(りかん)したうつ病の治療に取り組んでいることや、2人の子どもと面会を重ねて母子関係を再構築しつつある点を挙げ、改めて執行猶予付き判決を求めた。

 一審判決によると、松下被告は昨年1月、愛知県豊田市の自宅で、次男が泣いていたことにいら立ち、床にたたきつけて脳損傷により死なせた。弁護側は「被告は犯行時、うつ状態で心神耗弱であった上、行政などから適切な支援が得られなかった」と執行猶予を求めたが、地裁岡崎支部は「完全責任能力があった」として実刑判決を言い渡した。