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 さいたま市で昨年8月、市立南浦和中学1年の男子生徒(当時13)が自殺し、直後に学校側が「不慮の事故」と校内外に説明していたことがわかった。遺族は「部活動顧問の行き過ぎた指導が原因では」と訴えている。市教育委員会は遺族の求めに応じ、4日に臨床心理士や弁護士ら5人による第三者委員会を設置し、自殺の原因究明を進める。

 2日に記者会見をした母親によると、生徒は昨年8月26日、所属するバドミントン部の練習に出かけると言って家を出て自殺した。遺書に原因は書かれていなかったが、日ごろから部活動で悩んでいたという。

 自殺前日まで3日連続で部活を休んだ後、25日に母親に顧問から電話があり「(休まれては)困る。個別指導する」ととがめられたという。

 事故死扱いについて母親は「自殺当日、気が動転する中、公表すると保護者会で説明したりマスコミが押しかけたりすると校長らに言われ同意した」と説明。一方、市教委は「学校から遺族への働きかけはなかったと聞いている」とする。

 遺族は部活動が原因ではないかと真相解明を求め、学校側は昨年12月、部活動に関する全校アンケートを実施。「(自殺した生徒が)圧をかけられていた」との回答があった。また、校長や顧問の対応が不誠実で、事故死扱いでは真相は分からないとして自殺の公表を決めたという。

 市教委によると、生徒からは、顧問による「バカだ、アホ」「お前存在する意味あるのかよ」といった暴言の訴えがあったほか、自殺前の通常の全校アンケートでも顧問が胸ぐらをつかむ行為をしていたとの回答があった。顧問は「口調が強かったり言い方がきつかったりした」と弁明。校長が口頭指導し、顧問を継続した。今春、市内のほかの中学に異動したという。市教委は「現段階では原因ははっきりしない。第三者委で顧問との関係も詳細に調べる」と話している。(森治文)