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 核兵器の製造や保有を禁じる核兵器禁止条約が国連で採択されて2年。だが条約に賛同する国と核保有国の溝は深く、核兵器廃絶への道は険しいままだ。ノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN〈アイキャン〉)の国際運営委員を務める川崎哲(あきら)氏(50)に、現状について聞いた。

 核兵器禁止条約は70カ国が署名を済ませた。政府が署名したら、議会承認など国内手続きを経て批准に至るのが一般的な流れで、署名したのに批准にいたらないケースはごくまれ。来年に批准国が50を超え、条約は発効するだろう。

 南半球に賛同する国が多いのは、途上国が大国に反対して核兵器廃絶運動の旗を振ってきた歴史があるからだ。核兵器が使われたら巻き添えで被害を受ける。1962年に米ソが核戦争の一歩手前まで行ったキューバ危機があり、中南米は67年、核兵器の使用や配備を禁じる「非核兵器地帯」条約を結んだ。フランスなどが核実験を繰り返した南太平洋、南アフリカが核兵器を放棄したアフリカ大陸、東南アジアなども、非核兵器地帯へと進んだ。

 あるメキシコの外交官は「隣国が核兵器を持った時、二つの道がある。一つは非核化をめざすこと、もう一つは核の傘の下に入ること。メキシコは前者を、カナダは後者を選んだ」と誇った。日本は唯一の戦争被爆国だが、米国の核の傘の下で生きる道を選んでいる。特に戦争を知らない世代には、「日米安保のもとで平和が守られてきた」と、現状を受け入れる意識がある。

 長崎を最後に、戦争で核兵器は投下されていない。だが、誰がこの先も使われないと保証できるのか。事故が起きないという「原発神話」のように、核抑止も神話になっていないか。2017年にノーベル平和賞を受賞したICANで活動する欧州、南米、アフリカなど様々な地域の人たちは、核兵器は現在の脅威と考えている。

 残念ながら核保有国がすぐに核兵器禁止条約に参加するのは現実的ではない。ICANは昨年11月、自治体に自国政府に条約への参加を呼びかけてもらう「シティー・アピール」という取り組みを始めた。核保有国でも、米・ワシントンDCやロサンゼルス、仏・パリ、英・マンチェスターなどが名を連ねている。まず「核兵器は悪だ」という意識を広げたい。(聞き手・大隈崇)

■核兵器にお金を…

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