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 高齢者が運転する自動車の事故が相次ぐなか、小型電気自動車(EV)や立ち乗りするEVといった、一人でも気軽に移動できる乗り物の展示・試乗会が3日、経済産業省(東京都)であった。車以外の移動手段の選択肢があることを知ってもらい、事故を減らすための施策につなげるねらいがある。同省は今後、こうした乗り物への購入補助も検討する。

 会場には、電動車いすや電動アシスト自転車など、販売前の車種も含めて11社20車種ほどが並んだ。150人以上が訪れ、50代以上が約半数だった。

 ベンチャー企業「WHILL(ウィル)」(横浜市)が出展した電動車いす(税抜き約45万円)は、最高時速6キロで歩道を走れる。運転免許やヘルメットは不要で、レバーを操作して動かす。試乗した都内の女性(55)は、80代の母親に勧められそうな乗り物を探しにきた。「母は歩くのは大変だが、ひきこもるのもつらいらしい。車いすの運転のしやすさを確認できて良かった」と話した。

 トヨタ自動車が来年に発売予定の超小型EVは2人乗りで、一般的な軽自動車より一回り小さい。最高時速は60キロで、小回りも利く。立ち乗り型EVは最高時速を2、4、6、10キロの4段階で切り替えることができ、速度の出し過ぎを防げる。担当者は「乗り物が小さくても、自動ブレーキなどの安全機能も充実させている。地方を中心にニーズはもっと高まると思う」と話した。

 全国で、高齢者による事故が相次いでいる。4月には、東京・池袋で87歳男性の乗用車が暴走し、母子2人が死亡。6月には大阪市で80歳男性の乗用車が幼児を含む男女4人をはねた。高齢者の運転免許の返納も進むが、公共交通機関が限られる過疎地域などでは、移動手段の確保が課題となっている。

 会場を視察した世耕弘成経産相は「多様なモビリティーの選択肢を提供できる可能性があるので、補助金も含めて検討していく」と語った。(箱谷真司)