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 参院選は4日公示される。日本記者クラブが主催して、与野党7党による党首討論会が3日、東京都内で開かれた。安倍晋三首相(自民党総裁)は10月予定の消費税率10%への引き上げ後、さらなる増税について「今後10年間ぐらいの間は必要ないと思う」と述べた。野党各党は家計を重視する経済への転換を訴えた。21日の投開票に向けた選挙戦が事実上、始まった。

 消費税に関して、首相は2018年度の税収が過去最高だったとして、「安倍政権でこれ以上引き上げるとはまったく考えていない」と明言。「責任を持てるのは安倍政権(の間)だが、例えば今後10年間ぐらいの間は上げる必要はないと思う」と続けた。具体的な根拠は示さなかった。過去2回増税を先送りした首相としては、自身の在任中は最後の増税になることを強調して、国民の理解を得る狙いがあるとみられる。

 参院選の勝敗ラインについては「非改選議席も含めた過半数を自民党、公明党で確保したい」とした。改選後の全議席245の過半数は123議席。自公合わせた非改選は70議席で、改選議席124のうち自公で53議席を獲得すれば達成する低めの目標設定だ。

 憲法改正では「国民民主党の中にも憲法改正について前向きな方もいる」と発言。自民、公明の与党に日本維新の会を加えた勢力に、国民民主党の一部を加えることで、改憲発議に必要な3分の2議席を確保したい考えをにじませた。

 また、ハンセン病患者に対する国の隔離政策で、差別を受けて家族の離散などを強いた国の責任を認めた熊本地裁判決の控訴判断については「我々は本当に責任を感じなければならない。どういう対応をとっていくか真剣に検討する」と述べた。政府に首相を本部長とする認知症施策推進本部を設置することを盛り込んだ「認知症基本法案」の早期成立にも言及した。

 「次の選挙は(総裁としての)私の任期を超えている」「次の選挙のとき、私は総裁ではない」と繰り返して、党総裁として4選は考えていない姿勢を強調した。

 討論会には公明党の山口那津男代表、立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の玉木雄一郎代表、共産党の志位和夫委員長、日本維新の会の松井一郎代表、社民党の吉川元(はじめ)幹事長が出席した。枝野氏は「家計を起点とするボトムアップ型の経済に転換し、多様性を力にする社会に変えていかなければならない。お任せ民主主義ではなく、参加型の民主主義に変えていかなければならない」と主張。玉木氏は「家計を徹底的に豊かにして消費力を高め、消費を軸とした好循環を作り上げる新しい経済政策を打ち上げたい」と訴えた。