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 日本テレビ系のバラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」が、番組のために作られた海外の催しを地元の祭りと紹介したとされる問題で、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は5日、放送倫理違反に当たるとの意見書を公表した。

 対象は、タイの「カリフラワー祭り」(2017年放送)とラオスの「橋祭り」(18年)を取り上げた回。

 カリフラワー祭りでは、芸人の宮川大輔さんとアイドルの手越祐也さんが、カリフラワーの収穫を祝うタイの祭りに参加し、二人三脚で収穫する様子を放送。ラオスの橋祭りでは、自転車に乗った宮川さんが、障害物を避けながら細い板の上を渡る催しを放送した。いずれも地元住民とスピードを競う競技として紹介された。

 意見書では、二つの祭りが現地の企画コーディネーターにより番組のために用意されたと認定。その上で、「年に1度の祭り」などと事実と異なるナレーションを入れたことを問題視し、「もともとある祭りに参加しているように視聴者を誘導した」とした。

 一方で検証委は、日テレのプロデューサーや制作会社、現地コーディネーターから聞き取りを行い、「制作スタッフが祭りを意図的に作り上げたり、番組のために用意された催しであることを隠蔽(いんぺい)するためにナレーションをつけたりしたとは言えない」とも指摘。ただ、現地コーディネーターが提案した「祭り」が実在するのかなどの確認が不十分で、制作側が祭りについてほとんど把握していなかったことが問題とし、「程度は重いとは言えないものの放送倫理違反があったと言わざるを得ない」と結論づけた。

 升味佐江子委員長代行は、バラエティー番組が持つ自由度の高さに言及した上で、「視聴者の了解の範囲を見誤った」と述べた。

 検証委の神田安積(あさか)委員長は「祭り」企画の制作に参加したことがある制作会社の法律顧問を務めたことがあるため、「イッテQ!」に関する議論には参加しなかった。

 委員会の報告書を受け、日本テレビは「本日のBPОの意見を真摯(しんし)に受け止め、今後の番組制作にいかしてまいります」とのコメントを出した。(西村綾華)