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 4日に公示された参院選で、北海道選挙区には9人が立候補を届け出た。各候補は街頭へと繰り出し、消費増税や年金制度などの社会保障、憲法改正などのテーマを巡って、政策や主張を訴えた。5日からは期日前投票も始まり、20日まで全道333カ所で受け付ける。21日の投開票日に向け、17日間の選挙戦に入った。

幸福実現党・森山佳則氏

 幸福実現党新顔の森山佳則氏は札幌市白石区の事務所前で第一声を上げ、真っ先に消費税の増税反対を訴えた。「多くの方の声は、『増税はやめてほしいが年金が減るのは困る』というもの。10%への増税はありえない」とした上で、「5%に減税して景気を回復し経済を成長させれば、社会保障費の伸びは吸収できる」と減税を提案。年金については「若い人が安心して保険料を払えるよう、賦課方式を積み立て方式に移行するべきだ」とした。

 人口減と高齢化が進み労働力確保が課題となる中、「高齢者が働き続けられる生涯現役社会を構築したい。親日的な移民の力を借りることも大事だ」とも主張。カジノを含む統合型リゾート(IR)の道内誘致には「ギャンブル依存症の人が増え、マフィアが出入りする危険もある。日本の繁栄を支えた勤労精神も傷つく」と反対を明言した。

自民党・高橋はるみ氏

 自民党新顔で前北海道知事の高橋はるみ氏は、午前9時から選挙事務所近くの大通公園前で第一声を上げた。2003年に初めての知事選にのぞんだときと同じ緑色のジャケットを身に着け、4期16年の知事としての実績をアピールした。

 高橋氏は「この16年間、全道をくまなく回った。地域の課題や魅力を地域の皆さまと議論し、その解決や魅力の発信に全力で取り組んできた」と強調。「地域に芽生えた様々な産業創造力をさらに高め、北海道の食や観光を発信していく」と訴えた。

 「北海道の未来をひらく。この戦いに負けるわけにはいかない。地域の皆さまとの信頼関係を心の支えにして戦い抜く」と述べた。女性議員として女性の活躍促進や、知事時代に築いたロシア関係の人脈を生かして北方領土問題の解決に貢献する考えも示した。

 自民党道連は2議席を確保をめざし、高い知名度がある高橋氏に票が集中しないように、もう1人の公認候補の岩本剛人氏を重点支援する方針だが、この日は吉川貴盛道連会長ら道選出の国会議員や鈴木直道知事も駆けつけ、「高橋さんは北海道を知り尽くしている」と支持を呼びかけた。

共産党・畠山和也氏

 共産党新顔の畠山和也氏は、共産から比例区に立候補する現職の紙智子氏、新顔伊藤理智子氏とともに、札幌駅前通で第一声を上げた。

 「いよいよ安倍政権を変える選挙戦が始まります。暮らしの声を代弁し、新しい政治を作る道を示し、市民と野党の流れをさらに発展させるため、私は全力を尽くします」と畠山氏が呼びかけると、集まった支援者らから拍手が湧いた。

 「とりわけ大きな焦点」として取り上げたのが年金問題だ。「減らない年金」の実現、低年金者の年金額の底上げを主張した。「年金や暮らしを後回し」にする安倍政権を批判し、「国民の怒りの声をぶつける選挙にしよう」と訴えた。

 奨学金の返済に苦しむ人を減らすため、大学の授業料を段階的に半額まで引き下げることも提案。先月末に米国と北朝鮮の首脳会談が実現したことにも触れて「アジアで広がる対話の流れに、憲法9条をもつ日本が参加しなければいけない。9条を変えるのは逆行している」と訴えた。

 この日は札幌市内を回り、小樽市へ向かった。16日午後5時半からは大通公園で志位和夫委員長とともに街頭に立つ予定だ。

労働者党・岩瀬清次氏

 労働の解放をめざす労働者党新顔の岩瀬清次氏は札幌市中央区大通西3丁目で第一声。岩瀬氏は「ブラック労働や長時間労働といった搾取労働を即時に廃止したい。非正規労働や女性労働にみられるような差別労働も一掃していかなければいけない」と訴えた。

 消費増税については、「社会保障の充実などにあてる約束だったのに、選挙の人気取りで幼児教育の無償化に使い道を勝手に変えた」と政権を批判。年金格差解消のため、「基礎年金と厚生年金の2階建ての制度を解体し、一本化すべきだ」と主張。「本当に必要な人にいきわたる制度にする必要がある」とした。

 介護制度にも言及。「低賃金で押しつけるのではなく、人生の中で一定期間を介護にあてみんなで支えるべきだ」と提案。「働く者の立場で戦っていき、全道の働く仲間たちに訴えていきたい」と締めくくった。

自民党・岩本剛人氏

 自民党新顔の岩本剛人氏は、午前10時半ごろ、鈴木知事とともに赤れんがテラス広場(札幌市中央区)に姿を見せ、2人で集まった支持者らと握手して回った。

 吉川・道連会長をはじめ、道内選出の与党の国会議員が代わる代わる応援演説に立ち、「鈴木知事と岩本候補で新しい北海道時代を築いていこう」と呼びかけた。鈴木知事も「岩本候補は私とともに知事選で道内各地を回った戦友であり、北海道を切り開いていくために必要な人物だ」と訴え、全面的に支援する姿勢を見せた。

 岩本氏は「北海道は人口減少で厳しい状況にあるが、すばらしい食と観光の資源がまだまだたくさんある」と述べ、北海道新幹線の札幌延伸に伴うJR札幌駅前の再開発に合わせ、道内市町村の魅力を発信する施設をつくる構想を示した。また昨年の胆振東部地震で、道議時代の選挙区である札幌市清田区で地盤流出の被害が出たことをふまえ、災害に強いまちづくりに取り組むとも主張。「私自身にとっては大変厳しい選挙だが、新しい北海道時代の扉を開くため、鈴木知事とともに仕事をさせていただきたい」と訴えた。

立憲民主党・勝部賢志氏

 立憲民主党新顔の勝部賢志氏は、道庁前で第一声を上げた。応援に駆けつけた佐々木隆博・党道連代表は「北海道から新しい政治の流れを作りましょう」、出村良平・連合北海道会長は「うそや忖度がまかり通る政治はもうやめにしましょう」とそれぞれ話し、勝部氏への支持を訴えた。

 勝部氏は人々の現状について、年金・雇用・地域経済を例に挙げて「安倍政権の元で壊れてしまった安心な暮らしを取り戻すことが今回の争点だ。憲法9条については絶対に変えてはなりません」と訴えた。

 道内の現状については「人口減少、高齢化、少子化など、たいへん厳しい環境を強いられている」と分析。それらを食い止め、乗り越えるために地域経済の活性化を主張。「北海道は99%が中小企業。中小企業のみなさんをしっかり支えることが必要」と訴えた。

 雇用問題では「安倍政権が誕生してから、非正規社員が増えた。暮らしが成り立たず、結婚や子どもを持つことをあきらめてしまう人たちが出始めている」と批判。正社員を増やし、最低賃金を引き上げることで「給料で生活ができる、当たり前の社会を作っていきましょう」と力を込めた。

安楽死制度を考える会・中村治氏

 安楽死制度を考える会の新顔、中村治氏は札幌市の道庁別館前で「自分の最期を自分で決める権利を法律で保障していく。オランダやスイスなどの先進国を参考に、日本でも安楽死制度を認めるべきだ」と訴えた。

 「人の生き方に関する重要なテーマなのに、安楽死に関する議論は日本ではタブー視されている」とし、年金や憲法改正などに加えて、安楽死制度実現のための法整備を争点に加えたい考えだ。

 今回の選挙を「安倍政権6年間の通知表」と位置づけ、「社会保障にかけるお金が無いと言いながら、武器を爆買いし、外国にお金をばらまいている」と批判した。

 選挙期間中に街頭演説などをする予定はないという。その他の政策についてはインターネットを使って有権者に直接賛否を問うとしている。

国民民主党・原谷那美氏

 国民民主党新顔の原谷那美氏は、JR札幌駅西側の紀伊国屋書店前で第一声を発した。

 選挙カーの上には、徳永エリ参院議員と前衆院議員の松木謙公氏、山岡達丸衆院議員が応援に立った。徳永氏は「原谷候補への支援を心からお願いしたい」と激励し、松木氏が「若い人にバトンタッチしながら日本は動いていく。その1番手は原谷候補だ」と訴えた。

 原谷氏は獣医師の経験を踏まえ、「動物虐待、犬猫の殺処分や児童虐待、殺人など、日本全国で命が軽んじられている。私に何かできないかという強い思いで立候補を決意した」と力を込めた。

 さらに「食の安心・安全をしっかり守り、一次産業を全力で支えること、どこで生まれても平等にチャレンジできる社会の実現、命と平和を守ること、大きくこの三つに取り組みたい」と強調した。

 十数分にわたる第一声の最後には、政治家としての経験がないことや知名度が低いことにも言及。「とても厳しい戦い。だからこそ、生活につながる問題が何かに重きを置きながら活動したい。お力をお借りしたい」と訴えた。

NHKから国民を守る党・山本貴平氏

 NHKから国民を守る党新顔の山本貴平氏は道選管への届け出後、北海道庁周辺で第一声をあげた。「NHKの受信料の支払いは生活弱者に重くのしかかる。受信料制度を変えたい。その解決策はNHKのスクランブル放送化だ」。集まった報道陣を前に、選挙のスローガンを問われると「NHKをぶっこわす!」と強調した。

 たすきも選挙カーもなく、選挙運動は政見放送のみ。自身の政党を「マイナー政党」と称し、今回の出馬目的を「みなさまに少しでも党名を知っていただくというのが、今回のメインの任務だ」と語った。

 5日以降は、NHKにかかわる電話相談という本来業務に戻るといい、足を使って駆け回る選挙運動はしない。4月の統一地方選では、東京都三鷹市議選(定数28)に立候補し、1178票を獲得したが、34人中30位で落選した。