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 4日に公示された参院選の大分選挙区(改選数1)には、自民現職の礒崎陽輔氏(61)=公明推薦=、無所属新顔の安達澄氏(49)=立憲、国民、社民推薦=、政治団体「NHKから国民を守る党」新顔の牧原慶一郎氏(41)の3人が立候補を届け出た。3年前と同様、与野党候補による事実上の一騎打ちの構図。21日の投票日に向け、アベノミクスや社会保障、憲法改正などをめぐる17日間の論戦が始まった。

 礒崎氏は、大分市内の公園で出陣式に臨んだ。県選出の国会議員や県議、選挙協力を結ぶ公明党関係者ら約1千人(主催者発表)が出席。礒崎氏は「全ての人を大切にする。これが私たちの成すべき政治だ。この政治をしっかり守らなければならない」と訴えた。

 総合選対本部長の衛藤征士郎衆院議員は、「礒崎候補は12年の間にすばらしい業績を残した。今回当選すれば、必ず入閣するという自信を持っている」と激励した。出陣式には、大分商工会議所の吉村恭彰会頭や佐藤樹一郎・大分市長も出席した。

 安達氏は別府市のJR別府駅前で第一声。連合大分や野党各党の関係者、支持者ら約300人(主催者発表)を前に、公文書改ざん問題や年金問題などを挙げながら、「国民、庶民を向いた政治を取り戻す」と決意表明をした。

 総合選対本部長の連合大分の佐藤寛人会長は「税金をポケットマネーのように使い、国会で多数だから何をやってもいいんだという、傲慢(ごうまん)な政治を許していいのか」と現政権を批判。立憲県連代表の横光克彦衆院議員や国民県連代表の足立信也参院議員らも登壇し、支持を訴えた。

 牧原氏は、受信料を払った人だけがNHKを視聴できる「スクランブル放送の実現」を掲げる。立候補を届け出た後、「払っている人が払っていない人の分まで負担するのは不公平」として、放送法改正を主張。選挙運動は主にインターネット上で行うという。(前田朱莉亜、寿柳聡、中沢絢乃)

社民の吉田氏が県内で支援訴え

 比例区に立候補した社民前職の吉田忠智氏(63)は、大分市の自治労会館で支援を訴えた。出陣式には主要支持団体の自治労の組合員や退職者、地方議員ら約150人が参加した。

 吉田氏は、安倍政権の下で立憲主義や平和主義が踏みにじられているとし、「憲法9条を守り生かす平和外交が求められている。改憲勢力を3分の2以下に追い込んでいこう」と呼びかけた。

 また、社民は衆参合わせて4人の議員がいるが、今回参院議員1人が改選。公職選挙法の政党要件を維持するためには2人以上の当選か、比例区で2%以上の得票が必要となる。これを踏まえ吉田氏は「社民党の再生再建の足がかりをつくり、リベラル勢力の展望を切り開いていかなければならない」と訴えた。

 吉田氏は個人名での得票を重視し、県内で個人名5万票を含む計8万票の獲得を目指す。2016年の前回も比例区で立候補したが、県内の個人票は約4万5千票に留まり落選している。

憲法改正しなければ 礒崎陽輔氏

 12年前からの私の公約は景気回復。アベノミクスの成果で、色々な経済指標がよくなった。しかし、大分のみなさんは景気回復を感じていない。最低賃金を上げるため、中小企業に対して、国が直接的な支援をすることが欠かせない。

 今回の選挙では、若い人の笑顔が見たい。大学生の給付型奨学金の拡大も重要だ。まず給与をあげること、家計の教育費をしっかりと支えることで、お年寄りと若い人、両方の笑顔が見られる大分県にしたいと思う。

 そして、憲法も改正しなければならない。自民党の憲法改正草案を執筆したのはこの私。国民のための憲法改正ということをしっかりと見据えて、引き続き頑張っていく。

政治・行政変えていく 安達澄氏

 出馬表明後、県内を駆け回った。豊後大野市緒方町で出会った、野菜を作っているおばあちゃんからは「根っこのある政治家にならんとダメで」と言われた。世の中や社会を支えているのは現場や地方で頑張っている人たち。一部のトップや権力を持っている人たちではない。そのことを今の国の政治や行政は忘れているのではないか。

 昨年財務省の官僚による公文書改ざんがわかった。権力を持っている人に忖度(そんたく)したのだと思っている。向くべき相手を間違えている。年金問題では麻生財務相が「年金のことを気にしたことがない」という趣旨のことを言った。我々の生活や思いに想像力を働かせることができない国の政治や行政を変えていこう。