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 参院選の勝敗のカギを握るのが1議席を巡って争う「1人区」だ。与野党で議席を分け合う傾向の複数区に比べ、わずかな票差でも当落が決まり、全体の結果を左右する。立憲民主党など野党5党派は32の1人区すべてで候補者を一本化し、与野党激突の構図が鮮明になった。

 2013年の参院選では1人区で野党が2勝29敗(当時は31選挙区)と大きく負け越し、自民党が改選34議席を65に増やす大勝をした。だが、3年前は野党が11勝21敗と持ち直した。理由は野党が候補者を一本化したためだ。

 立憲民主党の枝野幸男代表は、3日の日本記者クラブ主催の党首討論会で「国民生活が大変危機的な状況に追い込まれている。生活防衛の共闘として1人区では候補者を一本化し、今の政治のままの継続でいいのか、軌道修正が必要ではないのかという明確な選択肢を示した」と強調した。

 野党統一候補の内訳は、立憲が7選挙区、国民民主党が6選挙区、共産党が1選挙区で、社民党は立てなかった。残る18選挙区は、党派色を薄める狙いで無所属として擁立した。

 ただ、自民党が現職28人、新顔4人であるのに対し、6年前の惨敗の影響で野党は長野、佐賀両選挙区を除いてすべて新顔。候補者調整が6月までずれ込んだ影響もあり、知名度の低い新顔がどこまで浸透するかが課題だ。

 与党側も必死だ。自民は3年前に敗れた11選挙区を含む16選挙区を「激戦区」に指定。幹部を重点的に送り込む。

 1人区での戦いは国政の影響を受けやすい傾向もあり、「イージス・アショア」の配備計画を巡って相次いだ防衛省の調査ミスなどの影響を受ける秋田選挙区などで厳しい戦いも予想される。特に与党間では「東北各県がなかなか厳しい」(公明の高木陽介国会対策委員長)という認識が共有されており、てこ入れを図る方針だ。

 複数区では、自民候補同士や野党間での戦いも焦点となる。

 広島選挙区(改選数2)では、自民が21年ぶりに現職と新顔の2人を擁立。2議席独占を狙うが、自民分裂含みの展開も想定される。国民の現職がいる中で立憲が新顔を擁立した静岡選挙区(同)なども激戦の様相となっている。(村松真次)

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 4日公示の参院選には計370人が立候補を届け出た。前回2016年参院選の389人を下回り、比例代表制が導入された1983年以来では04年の320人に次ぐ少なさだった。

 候補者の内訳は、現職97人、前職6人、元職5人、新顔262人。新顔は前回より14人少なかった。

 政党別では、自民党が最も多い82人を擁立。立憲民主党が42人、共産党が40人、国民民主党が28人、公明党が24人、日本維新の会が22人、れいわ新選組が10人、社民党が7人だった。

 改選数1の「1人区」では、32選挙区すべてで自民党と野党系の候補が立候補し、与野党対決の構図が確定した。

 比例区で初めて導入され、得票にかかわらず優先的に当選できる「特定枠」になったのは計5人。自民党は「鳥取・島根」「徳島・高知」の合区に伴い、選挙区に立候補できなかった現職と新顔の計2人をあてた。れいわは新顔2人を特定枠とした。(別宮潤一)