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 参院選が4日公示され、愛知選挙区(改選数4)には12人が立候補を届け出た。自民と公明が「与党で2議席」を目指す一方、野党は各党が候補者を擁立し、諸派や無所属も加わる激戦区だ。未明まで降り続いた雨がやみ、候補者たちは駅前や繁華街に立って支持を呼びかけた。

制度の限界痛感 法律作る立場に

 公明新顔の安江伸夫氏(32)は名古屋・栄で第一声を上げた。弁護士として生活苦の人らの相談に乗り、「既存の法律、制度では解決できない問題も少なくないと痛感した」と強調。「法律を作る立場をいただいて、仕事をさせて」と声を張り上げた。有権者への約束として、「小さな声に寄り添う」「中小企業支援」「魅力ある愛知県をつくる」の三つを挙げた。

 党本部の斉藤鉄夫幹事長も応援に駆けつけた。10月の消費増税について「孫の世代にツケを回さないため」と理解を求め、年金についても「制度として安定させるが、いかに豊かな老後にするかは別問題だ。年金だけで暮らせるというのは年金の基本思想ではない」と訴えた。

課税逃れ許さず 消費税は5%に

 「オリーブの木」新顔の橋本勉氏(65)は名古屋駅前で街頭演説し、福祉や年金の財源として、タックスヘイブン(租税回避地)への課税を主張した。「大企業や金持ちが海外にお金を隠し持っている。実現すれば、消費税は5%にできる」と訴えた。

 政策の一つに「国会議員の年収引き下げ」を掲げる。「みなさんの平均年収と同じ400万円にするべきだ。議員と庶民との格差がどんどん広がり、我々のための政治家が生まれない」と述べた。水素をエネルギー政策の中心に据えることも掲げ、「水素と再生可能エネルギーを組み合わせれば、原発をゼロにできる。雇用も増やせる」などと主張した。

「年金不足」問題 正直さ欠く政府

 国民現職の大塚耕平氏(59)は、名古屋駅前で第一声を上げた。「物価上昇率2%」を達成できずにいる金融政策を批判し、「先進国で唯一、実質賃金が低下している。この政策を止めさせ、産業に軸足を置いた産業経済政策に取り組みたい」と訴えた。

 選挙戦で訴えることの一つに「日本の民主主義そのもの」を掲げた。政府に必要な姿勢は「正直な、偏らない、現実的な政治」だと強調。老後の生活費が2千万円不足するとした金融庁の審議会報告書を政府が受け取らなかった問題を挙げ、「正直さに欠けている政府が、日本の民主主義を守れるはずがない。こんなことを許したら、国民の皆さんに情報が正しく伝わらなくなる」と指摘した。

8時間の労働で暮らせる社会に

 共産新顔の須山初美氏(40)は、名古屋・栄で第一声。「暮らしを壊す消費税増税、足りない年金を隠し、憲法9条を改悪して平和を壊す安倍政権を終わらせよう」と政権を批判した。

 雇用をめぐる問題に軸足を置き、「8時間働けば普通に暮らせる社会を目指す」との公約を掲げた。労働相談にあたってきた経験から、「ハラスメント禁止法」の実現も呼びかけた。

 応援に駆けつけた党中央委員会の田村智子副委員長は、須山氏がデザイナーとして10年働いた経歴を紹介。長時間労働で心身を病む同僚の姿が政治家を志すきっかけだったとして、「一人一人が希望をもって働いてこそ日本の企業も育つ」と訴えた。

非正規雇用深刻 搾取労働滅亡を

 「労働の解放をめざす労働者党」新顔の古川均氏(65)は、名古屋・栄で街頭演説した。

 「非正規雇用の不安定な就労を迫られている仲間は2100万人。そのうち世帯収入の中心をなしている人の平均年収は186万円と言われている」と厳しい状況を語り、「搾取労働、差別労働の滅亡」を訴えた。妊娠や育児などを理由に職場で理不尽な扱いを受ける女性労働者の問題にも取り組むとした。

 高齢化が進むなかで介護職員の離職が深刻となり、家族の介護で仕事を辞めざるを得ない人がいる問題に、「全ての国民が一定期間、例えば1年のうち1カ月だけ、あるいは一生のうち1年だけ高齢者を介護する」との政策を提案した。

最低賃金1500円がひと息つける額

 16年参院選に続いて立候補した社民新顔の平山良平氏(71)は名古屋駅近くで選挙運動を始め、最低賃金を時給1500円に引き上げることなどを訴えた。

 平山氏は周辺に立ち並ぶ高層ビルを指さし、「アベノミクスでビルは建っても格差は開くばかりだ」と安倍政権の経済政策を批判。低賃金が未婚社会や少子化の原因だと指摘し、「時給1500円で8時間働いて1万2千円。20日間で24万円。これがほっとひと息つける水準だ」と呼びかけた。

 さらに教育費の問題についても触れ、「大学の授業料が高すぎる。アルバイトが若者の学ぶ機会を奪っている。教育はおろか日本そのものが衰退する」と訴えた。

富裕層の優遇で「失われた30年」

 無所属新顔の石井均氏(54)は、名古屋・栄の交差点で第一声を上げた。

 銀行員だった経験から現在の経済政策を分析し、「失われた30年と言われ、マイナス成長だった。欧米のほとんどや中国、韓国ではプラス成長で経済が膨らんでいるのに、日本だけがマイナス。理由はいろいろあるが、消費税を当初説明していた社会保障や財政再建に使わず、富裕層や企業の優遇に使ったために大多数の庶民に打撃を与えた」と述べた。「一部の既得権益を持っている人たちが、大多数の庶民を苦しめている。それが日本経済の低迷の理由の一つ。庶民にも平等な社会をつくっていき、景気の底上げをしていく政策をとっていきたい」と訴えた。

河村市長の思い全国に広めたい

 維新新顔で、河村たかし名古屋市長が率いる地域政党「減税日本」が共同公認する岬麻紀氏(50)は名古屋市東区の河村氏の事務所前で第一声を上げた。

 有松絞りの手ぬぐいを首に巻き、「名古屋のことはくまなく空気がわかっています」とアピール。名古屋市立中学校に導入された常勤スクールカウンセラーや市民税減税を挙げ、「河村市長の思いを全国に広げるために私を使者として行かせてください」と訴えた。

 河村氏も応援に駆けつけ、「細かいことを言わずに応援したってちょうだい」。維新の足立康史衆院議員は「与党も野党もあかんから、地域で愛されている減税と維新が手を合わせて国会で力をもちましょう」と呼びかけた。

大きな夢持てる社会築いていく

 自民現職の酒井庸行氏(67)は、初当選した13年参院選の時と同じ名古屋市中区の大須観音で第一声をあげ、「大きな夢、確固たる希望を持てる社会を築いていきたい」と声を張り上げた。

 この1期6年間を「経済、福祉、環境、農業などたくさんのことに向き合った」とアピール。16年の熊本地震で現地対策本部長を務めた経験について触れ、3日に記録的な大雨に見舞われた九州南部について「大変な思いをされ、命の危険にさらされる状況が続いている」と気遣った。

 2期目に向けては「いっぱい汗をかいて、誠実に信頼ある政治を目指したい。未来を起点に今を考え、実行・行動していく」と語った。

消費増税に反対 豊かな社会作る

 立憲新顔の田島麻衣子氏(42)は名古屋駅西口でマイクを握った。

 冒頭に「私が取り戻したい政治は、豊かさを感じられる社会をしっかりつくっていくこと。皆さんの中で、生活が良くなったと感じる人はどれだけいるのか」と問いかけた。参院選の争点の一つである消費税にも触れ、「日本の実質賃金はほとんど上がっていない。今は消費税は増税するべきではない」と反対の姿勢を明確にした。

 前職は国連職員。海外の難民キャンプで支援にあたった経験をもとに、「本物の戦争の傷痕を見たことがある日本人の一人。現場は悲惨だった。国連で13年間働いてきた人間として、皆さんの平和を守る」と強調した。

牛田宏幸氏は街頭演説せず

 「安楽死制度を考える会」新顔の牛田宏幸氏(48)は4日、街頭演説をしなかった。同団体の事務局によると、牛田氏は東京都在住で、選挙期間中に県内で選挙活動をするかどうかは未定という。

NHK受信料は視聴希望者のみ

 「NHKから国民を守る党」新顔の末永友香梨氏(37)は午後、ベビーカーに0歳の長男を乗せて県庁を訪れ、立候補を届け出た。「お金を使わないことで、いろんな人が立候補できる可能性を広げたい」と、選挙運動はネットへの動画投稿が中心。県庁前でスマートフォンのカメラに向かって公約を語った。

 「NHKの受信料に怒りを感じる方々を守るために立候補した」と強調。視聴希望者だけがNHKと契約する「スクランブル化」を第一に訴えた。消費増税は「税率が複雑」などとして否定。今の政治について「この人に任せたいという人が少なく、すごく独裁的な状況」と述べ、一人ひとりの声が直接政治に届く新たな仕組みを訴えた。