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 長崎県警が防犯を呼びかけるポスターをつくった。ラグビーワールドカップ(W杯)にちなんだものだが、そこにはある仕掛けが隠されている。「地味すぎる」と職員にいわせた謎解きの「カギ」とは?

 鍵のかけ忘れや差しっぱなしによる空き巣、自転車盗などの被害を防ぐための啓発ポスター。登場するのは今秋のラグビーW杯で長崎に合宿拠点を置くスコットランド代表チームだ。

 紺色のジャージー姿で躍動する筋骨隆々の男たち。世界的名手のスチュアート・ホッグ選手らが両手で抱えて走るのは楕円(だえん)のボールではなく、1メートルはあろうかという金色の巨大な鍵だ。

 ポスター上にある鍵は6本。ここに「謎かけ」が隠されている。

 6月下旬のある日、県警の廊下に張り出されたポスターを目にした30代の女性課員は「え……」と漏らしてポスターを凝視。10秒後、「あ、わかった!」と笑顔を見せた。

 デザインした生活安全企画課の斎藤邦晃係長(37)は「謎が解けたときのちょっとした喜びがあったほうがいいかな、と思って」と工夫した理由を話す。鍵に書かれたアルファベットを番号順につなげて読むと、県警が伝えたいメッセージができあがる。

 「カギかけにTRY」

 ポスターには「外出時にロック」「自転車にはツーロック」など、赤いゴシック体の標語も躍る。

 生活安全企画課によると、2018年に県内で起きた空き巣など住宅への侵入盗、自動車やバイクなどの乗り物盗の認知件数は557件。そのうち無施錠、または鍵の取り忘れによるものが415件と全体の74・5%だった。16年以降、3年連続で70%を超え、高い割合で推移している。

 斎藤係長は、生活安全企画課に配属され、ポスターづくりに関わって3年になる。「文字ばかりでは見てくれない」と考え、5歳から始めたラグビーへの思い入れを重ねた。

 「ちょっと地味すぎるのでは」と苦笑する女性課員に、「そこがいいでしょ」と斎藤係長は言う。

 「大事なのは謎かけじゃなく、鍵かけ。県民でスクラムを組んで実践していきましょう」

 ポスターは県内の各警察署や官公庁に掲示される。(横山輝)