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 高校野球の試合や練習を追いかけ、ツイッターで発信する熱いファンが愛知県内にいる。学校や保護者らの了承を得て、球児やマネジャーらを励まし、名前つきで彼らの雄姿を残す「優しさ」が特徴だ。厳冬の練習も見守る彼らは、今夏の第101回全国高校野球選手権愛知大会も、各球場で熱戦を見守る。

 「最後の夏、悔しさだけが残った。ほかの球児にはこんな思いをしてほしくなくて、見守り始めた」

 「HALUHI@愛知高校野球・中学野球」名義で活動する太田陽彦(はるひこ)さん(34)はそう振り返る。

 愛知県東部の田原市在住。福江高の球児だったが、2年秋に右手首を痛め、3年夏は愛知大会に出られなかった。「高校野球はつらい思い出だった」

 東京に住んでいた約10年前、強豪校の試合をふと見に行くと、球児の姿がみずみずしく見えた。ツイッターで試合の感想を書くと、好評。試合の中継をするようになり、2010年に愛知に戻ってからも続けた。

 土日や平日昼はいつでも試合を見られるよう、工場で夜に働く。試合のある日は早朝1~2時間、車を走らせて球場へ。ツイッターでは球児の写真を、名前も聞いて紹介し、フォロワーは約4万2千人に上る。

 愛知の高校野球に魅了されて、他県から移り住んだ人もいる。

 ツイッターで「@愛知県高校野球◎VICTORY⑧⑨」名義で活動し、約3万9千人のフォロワーを持つ竹岡秀修さん(50)は、長崎県出身。幼少期は毎年夏、兵庫県西宮市の祖母宅に行き、甲子園で選手権大会を見て「愛知の『私学4強』の強さに憧れた」。

 西海学園高(長崎県佐世保市)の球児で、3年夏の長崎大会は初戦敗退。卒業後は東海地方の製造会社に就職。豊川市に移り住み、「愛知は私学4強以外の強豪校も強い」と気づいた。

 2011年8月からツイッターを始め、時には各校のグラウンドへ行き、練習を見守る。ツイッターに投稿すると、すぐにリツイート(拡散)され、「いいね」も相次ぐ。練習や試合を見に行くと、球児らからあいさつされることも。「厳しさに耐え、心身ともに成長していく姿を見るのが楽しみ」

 母校の応援を何年も続けている人もいる。

 豊川市の会社員寺村登茂樹さん(23)は、ツイッターで「テムテム」名義で活動しながら、母校の豊橋西の応援団員も務めてきた。野球部員が長らく20人以下だったからだ。初戦敗退が続いていたが、昨夏の東愛知大会初戦はタイブレークの末に勝利。「ひたむきな姿に、勇気づけられた」。今夏も応援に駆けつけ、勝利の校歌を球場で聞いた。

 今夏の愛知大会が6月29日に始まり、3人は県内各地の球場へ足を運ぶ。竹岡さんはツイッターで球児やマネジャー、保護者らにエールを送った。

 「球児にMGご家族/ここまで、いろんな/葛藤があったに違いない/新時代の夏/みんなが主役/全力で頑張ってください/応援しています/健闘を祈る」(江向彩也夏)