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 47年前の天草大水害を語り継ごうと、熊本県上天草市龍ケ岳町の上天草総合病院で5日、当時の炊き出しを再現した昼食会が開かれた。医師や看護師、看護学生ら約200人が参加し、犠牲者を悼んだ。

 正午に鐘の音が流れる中、参加者は屋上で黙祷(もくとう)。脇田富雄院長(57)が「大水害を体験することはできないが、いろんなメディアを通して感じることはできる。医療に従事する人間として、記憶を持ち続けてもらえれば」と語りかけた。

 その後、参加者はメザシとおにぎり、たくあんだけの昼食をとった。被災当時に自衛隊の炊き出しで支給されたメニューだという。看護学生の赤星澄音さん(18)は「大水害があったからこそ、いろいろと対策がなされて、今の私たちが生きていられるのだと思う」と話した。

 天草大水害は1972年に発生。7月6日、天草上島は未明から1時間130ミリの豪雨に見舞われ、旧龍ケ岳町では36人の死者・行方不明者が出た。上天草総合病院では入院患者らを早めに避難させ、犠牲者を出さなかったが、毎年6日に集会を開いている。(大矢雅弘)