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 名古屋城の木造新天守にエレベーター(EV)を設置しないという名古屋市の決定に反対する障害者団体が5日、愛知県の大村秀章知事と面会し、決定は不当な差別だとして、県条例に基づき、知事があっせんするよう求める申立書を提出した。大村知事は申立書を受け取り、あっせんに前向きな姿勢を見せた。

 県公館を訪れたのは「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」のメンバーら。近藤佑次共同代表は、県障害者差別解消推進条例に基づき、知事のあっせんを求める申立書を提出した。市は昨年5月、新天守にはEVを設置せず、代わりにドローンなどの新技術でバリアフリーを実現すると決定。実行委員会は「障害者の権利を侵害する決定だ」と訴え、撤回を求めている。

 昨年5月にも愛知県内の障害者団体が同様の申立書を提出したが、当時の規定では国や市町村はあっせん対象に入っていなかった。今年2月、市町村も対象になるよう県が条例を改正したことを受け、実行委員会が今回申し立てた。

 大村知事は「ドローンで障害者を運ぶという発想は明確な差別。おぞましい」と市の決定を非難。「申立書の内容を精査し、適切に対処していきます」と述べ、あっせんに前向きな姿勢を示した。(井上昇)