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災害考古学 第5部:2

 昨年7月の西日本豪雨で大きな被害が出た岡山県倉敷市真備町。その一角にある建設会社の倉庫に、木枠と防水パネルで覆われた大きな土壁(高さ約3メートル、幅約1メートル、重さ約1・2トン)が保管されている。茶色の土壁には水平に2本の線が見える。下の線ははっきり見えるが、上の線はちょっと薄い。

 この2本の線は何を示しているのか。地元の郷土史家、森脇敏(もりわきとし)さん(78)に聞いてみた。「二つの水害の爪痕が刻まれているのです」。森脇さんによれば、土壁はもともと、1874(明治7)年に建てられたとみられる真備町内の民家の蔵の一部だった。昨年の西日本豪雨で蔵は浸水した。高さ2・6メートル辺りに見える下の線が、そのときに浸水した上限を示す痕跡。その14センチ上にみえる線が、1893(明治26)年の大水害の際に達した水位の痕跡だったとみられる。

 森脇さんは昨年8月、幼なじみの女性から土壁のことを聞いた。「地元の災害の記憶を刻んだ土壁を残さなければいけない」。自身も自宅が全壊したが、仲間とともに研究グループをつくり、保存活動をスタートさせた。今年3月末に住民やボランティアの手で壁から切り取られ、建設会社の倉庫へ運び込まれた。

 真備町は南北を流れる高梁川(…

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