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 東京朝鮮中高級学校(東京都北区)の最寄り駅前で批判的な街宣活動を繰り返した団体の責任者に対し、東京地裁(古谷健二郎裁判長)は5日、最寄り駅を含む学校の半径500メートル以内で、学校を中傷する街宣やビラ配りを禁じる仮処分を決定した。申し立てをしていた学校側が明らかにした。同様の仮処分決定は全国で4例目で、東京では初めてという。団体側は不服申し立てをする方針。

 学校側の弁護団によると、この団体は今年の春から、JR十条駅前で街宣を開始。「朝鮮学校教師は生徒に殺人体罰を加えても恥じない」「朝鮮学校は北朝鮮学校であり、スパイ学校だ」などと発言したという。文化祭を開く6月15日にも街宣が予告されたため、学校は「生徒、保護者らの尊厳をないがしろにし、耐えがたい苦痛を与えるヘイトスピーチ」として仮処分を申し立てた。

 団体側は15日の街宣は延期すると表明し、文化祭は予定通り開かれた。ただ、地裁は両者の言い分を聞いたうえで、「学校を侮辱し、業務を妨害する」街宣などを学校の半径500メートル以内で一切、禁止する仮処分を認めた。

 学校側の李春熙(リチュニ)弁護士は「学校前にとどまらず、公的な駅前の街宣まで禁止した意義は大きい」と評価。これに対し、団体側の徳永信一弁護士は「駅前という公共空間での言論規制は、表現の自由に対する重大な侵害だ」と批判した。

 同校は日本の中学・高校にあたり、現在469人の生徒がいるほか、校舎が工事中の別の初級学校(小学校に相当)の85人も通っているという。(新屋絵理)