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 「正規の競売品か盗品か」――。ロンドンの競売大手クリスティーズで4日、競売にかけられた古代エジプトの王ツタンカーメンの頭像をめぐり、正規の手続きを踏んだとする同社に対し、エジプト政府が返還を求めるなど、論争になっている。

 頭像は珪岩(けいがん)製で高さ28・5センチ。紀元前14世紀ごろ、新王国時代に制作されたとみられる。約474万6千ポンド(約6億4300万円)で落札された。落札者は明らかにされていない。同像について、エジプト考古省関係者がAFP通信に対し、「1970年代にルクソールのカルナック神殿から盗まれたもの」との見方を示し、エジプト政府が競売の延期と返還を求めていた。

 同社は、「過去をめぐる複雑な議論」を承知しているとしたうえで、同像が60年代からドイツなどで所蔵されてきたと反論。競売によって研究や展示の対象になることは「公益になると信じる」との声明を出した。

 古代美術品の所有権をめぐっては、植民地支配の中で奪われたとして、エジプト政府が英側にロゼッタ・ストーンやスフィンクスのひげの返還を求めるなど、度々論争になっている。(ロンドン=石合力