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 新たに刻む、ぼくらの軌跡――。第101回全国高校野球選手権大阪大会(朝日新聞社、大阪府高校野球連盟主催)が6日、開幕した。大阪に令和最初の夏の始まりを告げる一戦は、花園が猛攻を見せて阿倍野を破り、昨夏に続いて開幕日の勝利を挙げた。7日は6球場で熱戦が始まり、18試合がある。

渋々投手に…続けてよかった 阿倍野・三ツ谷滉祐君

 「投手なんてやりたくない」とずっと思っていた。阿倍野のエース三ツ谷滉祐(こうすけ)君(3年)は1年生の秋から投手を始めた。新チームに投手がおらず、左投げを理由に起用された。好きなのは、打撃だった。打撃でチームに貢献したかったのに。納得できなくて、野球をやめようとまで思った。

 でも、投手を押しつけられたのを理由に野球をやめるのは悔しかった。だから投球練習を続けた。試合でマウンドに立つと、ストライクゾーンが狭く見える。丁寧に投げてもストライクが入らない。その度、投手をやめたくなった。そんなときは、打撃練習で気を紛らわせてきた。

 面白さを感じるようになったのは、3年生になってから。力を込めた直球とスライダーで、強気にインコースを攻める。それを必死で打とうとする打者。その真剣な駆け引きに魅力を感じるようになった。

 京セラドーム大阪のマウンドは、独特な空間だった。応援席から届く声もいつもと違う。一回、いきなり連打を浴びて1失点したが、気持ちは折れなかった。3番打者に対しては得意のインコース攻めをみせた。だが、練習試合なら振ってくれるコースでも、なかなか振ってくれない。際どいコースはファウルで粘られ四球。その後犠飛でもう1点を失った。

 インコースを攻めた結果だから悔いはない。だが、チームは五回コールド負け。得意の打撃では2四球を選んだが無安打に終わった。球場を出た後、悔し涙がこぼれた。でも。「投手を続けてきたからドームのマウンドで投げることができた。このチームで野球がやれて、よかった」(山田健悟)