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 第101回全国高校野球選手権静岡大会(朝日新聞社、県高校野球連盟主催)が7日、静岡市駿河区の草薙球場で開幕した。111チーム(112校)の選手が元気よく行進。開幕試合は、東海大静岡翔洋が聖隷に8―1で勝った。13日に10球場で1回戦23試合がある。

 雨で順延された開会式は7日午後1時から、選手たちの息の合った入場行進で始まった。先頭は昨年優勝校の常葉大菊川の諏訪隼人主将(3年)。青空も見える中、優勝旗を手にグラウンドに入るとスタンドが沸いた。

 選手たちは科学技術高吹奏楽部の演奏に合わせ、球場内を行進。女子生徒3人が球場アナウンスで、各学校名と校旗を持つ選手の名を紹介した。

 行進後、熱中症対策として給水タイムが設けられ、選手たちは整列したグラウンドでドリンクを飲んだ。

 県高校野球連盟の中沢秀紀会長は「練習を積み重ねて身につけた本物の気迫を胸に秘め、正々堂々と激しく戦ってください」と激励。田中敏行・朝日新聞静岡総局長は「元号が令和に変わり、101回大会はスタートの大会。今度は皆さんが新しい時代と歴史を作っていく番です」とあいさつした。

球に飛びつき チーム鼓舞 聖隷・山本好輝主将

 背中で見せる――。聖隷の山本好輝(よしき)君(3年)はこの1年間、主将として心に刻んできた。遊撃手としてどんな球にも飛びつき、チームを盛り上げるために声を出してきた。

 「いい球がいってるから、俺のところに打たせろ」。三回裏、マウンドを引き継いだ城西裕太君(2年)に守備位置から駆け寄り、声を掛けた。間に合う距離でないライナー性の当たりに飛びつき続けた。

 野球にどう取り組むか、意識し続けた1年だった。新チームで主将を志願し、就任。同じ頃、内野手の経験はなかったが、上村敏正監督から二塁手に起用され、秋からは遊撃についた。

 上村監督は山本君が1年の秋に就任。浜松商や掛川西を何度も甲子園に導いた上村監督の指導を受けるために、後輩たちは聖隷に入ってきた。だが、自分たちの学年の中には自主的に考えて行動することを求める監督のスタイルになじめない仲間もいて、チームがまとまらなかった。

 「背中で見せよう」。初めての内野守備に苦戦しているだけでは前に進めないと、自主練習を始めた。誰よりも遅くまで残り、毎日100~400球のノックを受けてきた。「皆、それをよく知っていた」とマネジャーの影山弥生さん(3年)。チームはいつの間にかまとまっていた。

 1点を取られるとコールドゲームが成立する七回裏。ピンチの中で奮闘する、3人目の投手黒沢峻祐君(3年)に誰よりも声を掛けた。「俺がとるから安心して投げろ」とアイコンタクトを送りつづけた。

 だが、最後の打者の打球が自分と三塁手の間を抜け、走者が生還。「何かあと少し足りなかった」

 泥だらけのユニホームであいさつを終えると、悔しさに涙があふれた。「どこよりも早く夏が終わってしまった。でも全力を尽くしました」(宮川純一)