ブラジルの歌手・ギタリストのジョアン・ジルベルトさんが6日、リオデジャネイロの自宅で死去した。88歳だった。家族が明らかにした。死因は不明だが、数年前から体調を崩していた。

 1950年代に、サンバとジャズを融合させたボサノバ音楽を創始した1人で「ボサノバの神様」と呼ばれる。アントニオ・カルロス・ジョビンが作曲した「イパネマの娘」が代表曲。1964年に米のサックス奏者スタン・ゲッツと共演した「ゲッツ/ジルベルト」は米グラミー賞の最優秀アルバム賞に選ばれた。

 初来日公演は2003年9月。5千人近く入る東京国際フォーラムホールAが連日満席に。ギター1本と声だけで客席を引きつける異例の密度の濃さで、伝説のライブとなった。開演が1時間遅れても「いまホテルを出た」というアナウンスで会場が沸いたり、ライブ中にギターを抱えたまま数十分動きを止めたりするなど、無二のカリスマぶりでも常に注目を集めた。04、06年にも来日公演をし、06年の公演が今年DVD化されたばかりだった。

 予定されていた日本公演が中止になった08年以降、公の場に姿を見せなくなっていた。その後の動向を探ったドキュメンタリー映画「ジョアン・ジルベルトを探して」が8月、日本でも公開される。(ワシントン=香取啓介、西正之)