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(7日、高校野球東東京大会 朋優学院11―1文教大付)

 選手生命に関わる事故だったという。朋優学院の主将、蟻井祐亘(3年)は、半年以上練習できなかったけがを乗り越え、今、主将としてチームをまとめている。出場機会はなかったが、ベンチで仲間を鼓舞し続けた。

 俊足好打の中堅手だった。昨春の練習試合。頭上を襲う飛球を全力で追った。しかし、相手校のグラウンドで、いつもと感覚が違う。コンクリート壁に激突した。救急搬送された病院で意識を取り戻すと、医師から、左ひざと左肩の骨折を告げられた。

 「選手として終わったと思いました。日常生活すらどうなるかと……」

 リハビリに取り組み、暮れに練習に復帰。だが、試合に出られる体ではない。今も、ひざにボルトが入る。左足の筋力は、けがの前に戻っていない。それでも復帰後、宮原正幸監督は蟻井を主将に指名する。「仲間への思いも、仲間からの信頼も、あいつじゃなきゃダメなんです」

 この日、打線は序盤、すくい上げるようなスイングで凡退が続いた。「たたきつけろ!」。よく通る声で指示を与えると、五回、一挙8得点の猛攻を呼び込んだ。やはり、試合に出たいと思う。だが、「僕が出るとしたら負け試合の代打。だから、出ない方がいいんです」。長い夏にしたいと笑顔で語り、3回戦に駒を進めた。(抜井規泰)=神宮第二