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(7日、高校野球愛知大会 名古屋国際3-2岡崎工)

 「ウォー!」。二塁上で身長183センチ、体重103キロの名古屋国際・土手郁弥君(2年)が雄たけびを上げた。同点の八回裏、勝ち越しを決めたからだ。

 八回まではベンチで大きな体を小さくしていた。一回の攻撃では走塁中に味方の打球に当たり3アウト、二回の満塁では遊ゴロで3アウト、六回1死一塁でも併殺3アウト。いずれの打席とも好機に貢献できず「何もできず試合が終わったらどうしよう」と不安になった。

 そして、八回裏2死一塁で打席が回ってきた。併殺に倒れた前の打席が頭をよぎる。「同じ結果に終わるかもしれないが持ち味のフルスイングだ」。初球を振り抜くと、高く上がった打球は左中間を破る決勝打に。くしくもこれが先発全員安打だった。

 主将の伊藤遼河君(3年)は、チーム一の飛距離を持っていると評価しながらも「気持ちが弱い面がある」と心配していた後輩の一打を、「闘志を前面に出して最高のバッティングだった」とたたえた。

 試合後の控室では、「打てない日もある」と励ましてくれた先輩たちと抱き合った。「ミスを取り返せてよかった」と笑顔で胸を張った。(藤田大道)