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 第101回全国高校野球選手権山梨大会(朝日新聞社、県高野連主催)が7日、甲府市の山日YBS球場で開幕した。第1試合では韮崎工が力強い打撃を見せ、2年連続で開幕戦に出場した農林を突き放した。第2試合は、甲府昭和が終盤の逆転劇で日大明誠に競り勝った。8日は山日YBS球場と富士吉田市の北麓(ほくろく)球場でそれぞれ2試合が予定されている。

1人だけの3年生 後輩へ感謝 農林・志村瑠斗主将

 たった1人の3年、志村瑠斗主将に七回2死満塁で打席が回ってきた。8点差で迎えたこの回、後輩たちはチーム初安打を含む3安打を重ね、1点をかえしてくれていた。

 「今度は自分が打たないと」。強い気持ちでバットを握り、投手を見すえた。結果は4球ともバットを振ることなく、押し出しの四球。1点を加え、この回でのコールド負けを免れた。

 2年連続の開幕戦。代走で出場し、初戦で敗れた昨夏は同級生がもう1人いた。しかし、大会後に退部。最高学年は1人になった。心細かったが、「後輩たちのために」の思いは強くなり、野球をやりきる決意が固まった。

 新チームの中心になるのは2年生。とくに、捕手の二宮慎選手が「チームを引っ張る存在になる」と考えた。遊撃手から捕手に守備位置を変え、まさにチームの要。普段の練習では、基本的に二宮選手に指示を任せ、自らは助言する側に回った。

 初戦の相手となった韮崎工とは冬に合同練習をし、打撃力が高いことはわかっていた。「粘り強さ」。農林が勝つにはそれしかないと臨んだ。

 六回の打席ではフルカウントまで粘り、四球を選んだ。安打は打てなかったけれど、2四球で自分なりの結果を示した。

 「ここまでついてきてくれてありがとうと伝えたい」。試合後、まず後輩たちに感謝し、「野球を続けてきてよかった」と笑顔を見せた。(玉木祥子)