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 全国高校野球選手権秋田大会がいよいよ開幕。101回目の夏、46校44チームの頂点に立ち、甲子園への切符を手にするのはどのチームか。秋田県内の高校野球に詳しい3氏に語ってもらった。

こまちブロック

 ――ブロックごとの見どころをお願いします。まずはこまちブロックですが。

 伊藤護朗氏 強豪校がひしめく最激戦区と言えるが、春の東北大会準優勝の明桜が一歩リードか。佐々木湧ら好投手を擁し、打線は加藤、平尾を軸に非常に勝負強く、他の追随を許さない。大曲工は投打とも充実し、能代松陽は試合巧者。大館鳳鳴は昨年からエースの杉原が力を出し切れば、十分に上位を狙える。

 石崎透氏 明桜は春の県大会も東北大会も接戦を勝ち上がり、かなり自信をつけてきた。東北大会で投げた5投手の起用法が楽しみ。秋田は昨年8強で、初戦でいい勝ち方をすると、勢いに乗るかも。大曲工と能代松陽は投手陣の踏ん張り次第。秋田、大館鳳鳴、能代松陽、大曲工が明桜を追う展開になるだろう。

 戸部良一氏 明桜は経験が十分。ただ、初戦の相手は既に1勝したチームとなる。昨夏、シード8校のうち3校が初戦で敗れたように、序盤をきちんと抑えられないと苦しい結果になる。大曲工はエース高橋大と柴田の継投がポイント。春の県8強で、打力は高い。伝統校の秋田工もまとまりのあるチームだ。

よこてブロック

 ――続いて、よこてブロックです。

 石崎 秋田中央、横手、秋田修英が若干リードか。秋田中央は完投能力のある松平が安定。横手は戸田や細川らの打撃が好調で、あとは原投手が踏ん張れるかが鍵になる。春に初戦敗退した秋田修英は、公式戦の経験不足が若干不安だが、初戦を勝つと横手にとっては嫌な相手。力の拮抗(きっこう)しているチーム同士の戦いが見られるブロックだろう。

 伊藤 由利と秋田修英は2回戦の好カード。秋田修英は何としても勝ち上がって、横手に春のリベンジをしたいところだろう。横手は細川を中心に攻撃力がある。平成は春に大曲工や大曲と接戦をするなどしぶとく、要警戒だ。

 戸部 秋田中央の打線は河野、斎藤光、佐々木を中心に積極的。1年生野呂田の捕手起用は、プラスに出るかマイナスに出るか紙一重で、大きなポイントになるだろう。秋田修英の公式戦不足は否めないが、昨秋の県優勝で、エース西岡は日本代表候補ということを考えればやはり強い。由利は昨年ノーシードから4強に入るなど夏に強く、油断できない。

能代ブロック

 ――次に、能代ブロックはいかがでしょうか。

 戸部 湯沢翔北と角館が総合力で安定している。湯沢翔北の佐野は、140キロ近い直球と、非常にキレのあるスライダーでリズムよく投げ、打ち崩すのが難しい。打撃は佐藤俊や丹尾に期待。守備がやや不安定か。角館は上位打線に力がある。本荘の阿部将は、県内では久しぶりの「投手らしい投手」だ。

 石崎 湯沢翔北の佐野は、我慢しながら粘り強く投げる。大曲農は伝統校で、佐藤昂の踏ん張りによっては勝ち上がれる。角館は攻撃力があるチームなので、藤井ら投手陣が踏ん張れるかどうか。本荘の阿部将は完投能力があり、球速も上がって非常に良い。

 伊藤 角館はエース藤井が安定し、鶴岡、草彅を軸に強力打線が目を引く。本荘の阿部将は球速球威ともに優れ、県内屈指の好投手。初戦を勝ち上がれば、角館にとって厳しい相手になることは必至だ。昨年の甲子園出場校、由利工と金足農は、気負いがあるか。選手の素質は高いレベルにあるので、気負わずに初戦を突破すれば一気に波に乗ることも十分に考えられる。

八橋ブロック

 ――最後に、八橋ブロックをお願いします。

 伊藤 秋田商が勝ち上がって能代と対戦する場合、このブロックで最も熾烈(しれつ)な戦いになるだろう。秋田商のエース板垣は県内屈指の好投手だ。能代の田口や小林日らの強力打線をいかに抑えるかが焦点になる。秋田北鷹、能代工はいずれも県大会に出場してモチベーションが高まっている。勢いづくと相当怖い存在。

 戸部 秋田商は佐藤翔らが打線を引っ張るが、勝敗の鍵はやはり板垣。能代打線は上位も下位も力があり、気が抜けない。能代のエース山内は制球力で打たせて取り、佐藤洵は緩急を使って連打を許さない。両校とも打ち崩せる投手ではないので、対戦する場合は、失策が勝敗を分けるだろう。大曲は大坂と田仲の継投のタイミングが重要。

 石崎 秋田商の板垣はいい球を投げるが、やや安定感に欠ける印象。チームは秋の東北大会にも出ていて力がある。能代の初戦は、山内と佐藤洵のどちらを先発させるかが難しい。両投手がベストな状態なら、非常に質の高い試合になる。大曲は投手起用が鍵。打線はよくつながっている。

選手へのメッセージ

 ――選手へのメッセージと、これからの高校野球への提言を。

 伊藤 野球は流れや勢いに大きく左右されるスポーツ。失敗やミスがあっても前向きに支え合うチームが勢いに乗っていく。昨年の金足農は、1試合ごとに強くなった。今後は、野球人口が減る中で小学校に入る前の子どもたちに目を向け、普及することが大事。

 戸部 令和元年にして、101回目という新たな時代。秋田勢には再び甲子園決勝の場へ行ってほしいというのが、選手への率直なメッセージ。少子化の時代に、大人の我々には、「スポーツは楽しい」と子どもに伝える責任がある。

 石崎 みんなで白球を追って、最後まで諦めずに戦ってもらいたい。ミスしたら助け合い、全員で一つのゲームに参加するのが大切と思う。球数制限が議論を呼んでいるが、県外の私立の強いチームと違って、秋田の公立では同じようにはいかないだろう。