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 「ボサノバの神様」と言われ、6日に死去したジョアン・ジルベルト氏と親交があり、「ジョアンに捧ぐ」という曲を作ったボサノバ歌手の小野リサさんが、追悼の談話を寄せた。全文は次の通り。

     ◇

 今朝、ブラジルの友人から連絡が来て、知りました。

 一心に、とても純粋に音楽を追究していた方でした。88歳というご年齢でお亡くなりになられて、とても残念に思うとともに、安らかにお眠りいただきたいと願っております。

 私だけではなく、ブラジルのボサノバを演奏する人たちは、その存在をとても大切に思っていたと思います。ボサノバというスタイルを確立した方で、私の音楽の軸となった方でもあり、とても尊敬しています。

 一番最初は電話で、リオデジャネイロと日本とでお話しさせていただきました。日本に公演でいらしたときにも電話をくださり、日本のオーディエンスの素晴らしさを語ってくださいました。「日本は素晴らしい」と何度も言っていました。

 (私がブラジルで)たまたまお金の両替でホテルに入ったとき、その前日に私がテレビで歌ったのを見ていたホテルマンが声をかけて来て、「昨日テレビに出ていた人ですね。ジョアンと話しますか」と言われました。そのホテルにはジョアンが住んでいて、ホテルマンがジョアンと電話をつないでくれました。ブラジルでは誰でも見ている番組でジョアンも見ていたそうで、大変ほめていただきました。「いつか日本に僕も行ってみたい」と話していました。

 いつもとても私をほめてくださるので、その感謝の思いから「ジョアンに捧ぐ」という曲を作りました。彼も(曲を)聴いて、とても喜んでくれました。「歌が生まれるときはとても平和な気持ちになり、心が喜びを感じているときに歌が生まれる」という内容の歌詞で始まり、「ジョアンの音楽を聴くと、自然にとても安らかな気持ちになる」という歌です。

 日本で初めてライブを見させていただいたのは、初来日の東京国際フォーラムでの公演でした。本当に安らかな気持ちになり、客席の全員の心が一つになったような、素敵なひとときでした。

 いつも家で一人でギターを弾いて、外にはあまり出かけず、一曲一曲にたくさんの時間をかけて仕上げていくと聞いていました。ジョアンのスピリットを受け継いで、私もこれからもずっと歌っていきたいと思っています。

 ご冥福を心からお祈りしております。(坂本真子)