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 最近、親しい40代の独身女性が心のバランスを崩して、パートで働く会社を休み始めた。時給は変わらず責任だけ重くなり、実家に同居する母も70代半ばになって、「親が死んだらどうすれば……」と悩んでいた。この年代になれば親の介護や更年期に直面してしんどくなるが、とりわけ非正規雇用のシングルの人たちが不安そうなのが気がかりだった。それはどうしてなのか。参院選を前に、彼女たちの日常と心情を伝えたくて取材した。

シングル女性ひきつけた「派遣」

 今50歳の私が社会へ出たのは1992年。女性は「結婚か、仕事か」の二者択一を迫られていた。友人の多くは、男性並みに働く狭き門の「総合職」でなく、補助的な「一般職」を志望した。就職して数年経てば「寿退社」か、結婚しなくても辞めるのが当然という空気だった。正社員での再就職をしようにも就職氷河期で極めて難しく、女性の生き方は多様化して離婚も急増した。

 そんな状況下、働きたいシングル女性をひきつけたのが「派遣」という非正規の働き方だった。当時は、自由度が高い、いろんな会社が経験できる、事務職の即戦力、ともてはやされた。正規雇用へのステップとも言われた。

「有休消化したい」宣言

 神奈川県の派遣社員(48)も魅了された一人だ。短大卒業後に一般職で勤めた会社を2000年に辞め、それ以降、データ入力や経理など複数の企業を渡り歩いてきた。

 当初はパソコン技術を買われ給料はよかったが、04年から時給が下がり始めた。06年以降10年近く勤めた大手生保では契約社員になれても、正規採用はかなわなかった。副鼻腔(ふくびくう)炎になっても休めず、社会に出て初めて「有休を消化したい」と宣言して退職した。

 いまはゼネコンで経理の仕事をしている。時給は1500円。

 職場は最寄り駅からバスで20…

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