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 6月のJR九州の定時株主総会で、株主提案を退けられた大株主の米投資ファンドが、朝日新聞の電話取材に応じた。自社株買いの提案に株主の3割超が賛成したことなどから、「多くの株主が変化を望んでいることをJR九州も認識したのではないか」との見方を示した。

 ファーツリー・パートナーズのマネージング・ディレクター兼パートナー、アーロン・スターン氏は取材に対し、「今後も株式を保有し、対話を続けたい。具体的に何年持つかは答えられないが、現状では(株式売却といった)出口戦略を急ぐ理由はない」と語った。JR九州の発行済み株式の6・1%を保有しているが、今後の買い増しについては「コメントできない」とする一方、「現在の株価が非常に低いのは魅力的だ」とも述べた。

 JR九州側が「鉄道事業には興味がないのだろう」との見方を示していることについては、スターン氏は「気にしていないということではなく、鉄道事業に対する会社の方向性を信頼している」と説明。人口密度が低い地域があるなど事業に不利な条件があるなかで、「鉄道事業は収益性を大きく改善してきた」と評価する姿勢も示した。

 ファーツリーは6月21日の総会で、株主提案として、最大720億円を投じて発行済み株式の10%分を自社株買いする▽不動産や財務に詳しい社外取締役3人を選ぶ――など6項目を要求。自社株買いへの賛成率は34・10%で、議決権行使助言会社の大手2社が推奨した社外取締役候補の2人は40%台の支持を集めたものの、すべて否決か不成立となった。(山下裕志)