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 アジア最大をうたうイノベーション会議「RISE」が9日、香港で始まった。ベンチャーの参加が多いなかで、創業150年近い資生堂の魚谷雅彦社長が登壇。老舗企業が進める技術の導入に注目が集まった。米中の技術覇権争いがイノベーションに与える影響を心配する声も聞かれた。

 資生堂は魚谷氏のもと積極的にイノベーションを取り込んでいる。魚谷氏は国営中国国際テレビのキャスターとの対談で「社長就任時、次の100年の活力の基礎を作ることを任務と考えた」と、老舗企業の構造転換を進めた背景を説明した。

 この日は、肌の色をカメラで読み込み、適切な化粧品を提案するシステムを紹介した。米企業の買収で入手した。魚谷氏は「商品開発や顧客との対話に技術を活用するのに積極的だ」と述べた。今年1月にはイノベーション部門を中国に設けており、現地のベンチャー企業との協力に期待を示した。

 今回の会議は、米中の貿易摩擦や技術覇権を巡る対立が顕在化するなかで催された。対立がイノベーションに悪影響を及ぼすとの見方に対し、RISEのパディー・コスグレーブCEOは記者会見で「トランプ大統領が再選を目指す(2020年の)選挙戦が始まる前に、ディール(合意)はありうる」と楽観的な見通しを示した。(香港=福田直之)