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 第101回全国高校野球選手権富山大会(朝日新聞社、富山県高校野球連盟主催)の開会式が10日、富山市民球場で開かれた。48校の選手856人が、元気よく行進し、富山中部の笹川遼太主将(3年)が堂々と選手宣誓をした。試合は13日から始まり、県内6球場を舞台に、白熱した試合が繰り広げられる。決勝は26日の予定。

 開会式は予定通り、午後3時半に始まった。梅雨の晴れ間が広がり、強い日差しが照りつける中、昨夏の優勝校の高岡商から選手たちが次々と入場。大会行進曲に合わせて歩き、外野に整列した。

 選手や観客が見守る中、朝日新聞社のヘリ「ゆめどり」からグラウンドにボールが投下された後、選手たちは外野から内野へ一斉に進んだ。高岡商の森田朝陽(あさひ)主将(3年)が優勝旗を返還した。

 県高野連の林誠一会長はあいさつで、100回大会を終え、元号が令和となって最初の富山大会であることから「高校野球の新たな歴史を刻む、スタートの大会でもある」と指摘。「スポーツマンシップとフェアプレーの精神を大切に、自分を信じ、仲間を信じ、全力で試合に臨んでほしい」と呼びかけた。

 朝日新聞富山総局の駒井匠総局長は「グラウンドの土の感触を楽しんでください。その一歩が甲子園という夢の舞台につながっている」と激励した。(田島知樹)

「伝統胸に 新たなページ」 選手宣誓 富山中部の笹川遼太主将

 富山中部の笹川遼太主将(3年)は、選手宣誓を「令和という新たな時代を歩み始め、伝統を胸に新たなページを刻む時が来た」との言葉で始めた。

 5日の抽選会で、くじを引く順番を決める予備抽選で1番となり、選手宣誓をすることが決まった。その瞬間は「正直、頭が真っ白になった」。

 宣誓の内容は部員全員で話し合って1、2日で作り、自宅や練習の終了後に練習してきたという。「一生で二度とできない体験だと思い、練習に励んだ」と振り返る。

 宣誓では、大相撲の朝乃山関にバスケットボールの八村塁選手と富山出身のスポーツ選手の活躍を念頭に「次は僕たち高校球児が富山を盛り上げる」。最後は仲間や家族ら支えてくれる全ての人々に向け、「恩返しができるよう一投一打に思いをかけ、正々堂々戦い抜く」と誓った。(木佐貫将司)

優勝旗返還「もう一度取る」 高岡商の森田朝陽主将

 優勝旗を持って開会式を行進した昨夏の優勝校・高岡商の森田朝陽(あさひ)主将(3年)。返還した優勝旗は「富山全体の先輩たちから受け継いだ重みを感じる」と話し、開会式を終えて「いよいよ始まるんだと実感できた」という。

 昨夏の富山大会決勝には森田主将も出場し、18安打14得点の猛攻で富山第一を破って2連覇を果たした。連覇は2002~04年に3連覇した富山商以来だった。

 ただ、昨秋の県大会は富山第一に敗れて、準優勝。今春の県大会は3回戦で砺波工に苦杯を喫し、今大会はノーシードで臨む。

 「一つずつ勝ち上がって、返した優勝旗をもう一度取りに行く」と森田主将。3連覇を目指す高岡商の戦いは、13日の新川との1回戦で始まる。(田添聖史)

堂々「大役果たせうれしかった」 行進先導役 富山工の紙谷侃汰君

 入場行進の先導は、富山工の紙谷侃汰(かみやかんた)君(3年)が務めた。3年生部員を対象に富山県高野連が公募した。紙谷君は開会式終了後、「本番前はうまくできるか不安だったが、大役を果たせてうれしかった」と振り返った。

 左翼手だが、ベンチ入りはならなかった。最後の夏にユニホームを着られない紙谷君に、責任教師の杉本等さん(57)が「先導役をやってみないか」と誘い、応募したという。

 この日は緊張もあったが、堂々と手を振って選手を先導した。大役を果たした紙谷君にチームメートは「頑張っとったぞ」「すごいな」と声をかけていた。

 富山工の初戦は15日の富山との2回戦。スタンドから仲間を応援する紙谷君は「チームは一つにまとまってきている。甲子園1勝を目標に勝ち上がりたい」と意気込んだ。(木佐貫将司)

「球児たちへ全力で」エール 富山商応援部

 スタンドからは学生服姿の富山商応援部の17人が、開会式に臨んだ全選手に手拍子と大きな声でエールを送った。関原圭人団長(3年)は「球児たちが全力を尽くせるよう、自分たちも全力を尽くして応援した」と話した。

 「自分にとってもこの大会が部活動の最後」と関原団長。ノーシードから甲子園を目指す富山商は、15日の2回戦で第1シードの富山第一と対戦する。開会式のあった富山市民球場では準決勝と決勝が予定されていて、関原団長は「選手たちと一丸となって必ずこの球場に戻る。そして甲子園へ共に行く」と力を込めた。

 副団長の橘隆介君(同)と柴野尚毅君(同)も「甲子園でも富商団旗の下、応援し続けたい」と口をそろえた。(木村聖)

息合わせ 明るく伸びやか 富山の田近さん・桜井の林さん

 開会式の司会を務めたのは、富山の田近菜摘さん(3年)と桜井の林遥さん(2年)の2人。6月にあった県内の放送コンテストで上位に入賞し、選ばれた。

 リハーサルでは「声が出ていない気がする」「選手の名前、間違えたらどうしよう」と不安そうな様子だった。しかし、本番では明るく伸びやかな声で交互に選手や校名を読み上げて、式をリードした。

 開会式終了後、田近さんは「緊張したけどミスなくやれました」とほっとしたような表情。「高校球児の熱を間近に感じて圧倒された。司会ができてよかった」と振り返った。林さんは「2人同時に読む部分も、呼吸を合わせてそろえられた。大会本番も楽しみ」と話していた。(田添聖史)